2023 Fiscal Year Research-status Report
生きづらさを抱える自殺企図者への多職種協働支援~好事例集積と支援プログラム構築~
Project/Area Number |
21K10728
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
寺岡 征太郎 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (30626015)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生きづらさ / 自殺企図 / 多職種協働 / テレヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要な目的は、①自殺企図者の「生きづらさ」に対応する多職種協働を基盤とした支援の実態調査(good practice事例の集積)、② 再企図抑止を目的とした多職種協働支援プログラムの作成と試行であり、最終目標は、自殺企図者に対する再企図抑止を目的としたシームレスな支援体制の整備である。当初計画として、本研究ではCOVID-19による影響を含む、さまざまな「生きづらさ」をもつ自殺企図者へのシームレスな支援の実現を目指すことを挙げた。令和5年度にはgood practice事例集積に繋がる自殺企図者の「生きづらさ」に対する意図的介入や支援の課題について整理し、自殺企図者と関わる機会が多い、医療・福祉機関で働く多職種を対象としたインタビューを計画していたが、それに先駆けて「生きづらさ」を抱える人の自殺予防ケアに関するナラティブレビューに取り組んだ。COVID-19パンデミックは、医学的な意味で人の健康や生活に被害を与え、経済活動を停止させただけでなく、日常生活を営んできた私たちの生活をも困難にし、「生きづらさ」を感じている人が増加する要因となった。ナラティブレビューでは、「自殺予防」「生きづらさ」のキーワードで検索した31件の文献のうち、「COVID-19」に関連する5文献に着目した。パンデミックを経験し、テレヘルス(遠隔医療)が急速な成長を遂げたが、現時点では自殺予防との関連性は明らかではないとされる。これを受けて有識者と意見交換を行ったが、そこでも遠隔医療ソリューションが "生きづらさ "を軽減することにどのように有用なのか、その様相を注意深く観察する必要があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
good practice事例集積に繋がる自殺企図者の「生きづらさ」に対する意図的介入や支援の課題を整理するために、質的研究に取り組む予定だったが、研究対象施設、対象者のリクルートが難航した。 また、再度ナラティブレビューを行い、その後に有識者との意見交換を実施するなど、当初計画を変更したために進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
自殺企図者に関わる機会が多い施設(精神科病院やクリニック・精神保健福祉センター・精神科訪問看護ステーションなどを想定している)で働く多職種(約20名)を対象とするインタビュー調査を行うために、研究施設のリクルートを継続する。そして、さまざまな「生きづらさ」を抱える人たちの自殺再企図抑止の支援のあり方を多面的に検討するとともに、good practice事例集積に取り組む。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、当初計画では調査に係る旅費を計上していたが、進捗が遅れており具体的な調査の実施に至らず、調査旅費の支出がなかったことが挙げられる。研究計画を見直し、次年度に調査を実施する計画がある。
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