2022 Fiscal Year Research-status Report
虚血性心疾患における性差を考慮した日本型循環器看護モデルの構築
Project/Area Number |
21K10729
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
山田 緑 共立女子大学, 看護学部, 教授 (00339772)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 虚血性心疾患 / 性差 / 日本型循環器看護モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
欧米において虚血性心疾患は中高年女性の死因の第一位を占めており、わが国においても人口の高齢化とライフスタイルの欧米化により、虚血性心疾患をもつ女性が増加傾向にある。虚血性心疾患は、生涯に渡って生活の自己管理が必要であり、再発へのストレスや不安からQOLが低下しやすいと言われている。しかし、わが国において、女性は男性と比較して虚血性心疾患の発症が少ないため、女性患者に焦点を絞った看護研究は未だ少なく、虚血性心疾患女性患者の実態は明らかでない。日本人は欧米人と様々な点で異なるため、欧米のエビデンスをそのまま適応するのではなく、日本人独自の科学的根拠が必要である。本研究では、女性の身体・心理・社会的特性に着目しながら、虚血性心疾患における日本型の循環器看護モデルを構築し、性差を考慮した女性患者への支援のあり方について検討する。 虚血性心疾患患者を対象として性差を考慮した女性への支援のあり方を明らかにするために、まず基礎調査として統合的文献レビューを実施し、虚血性心疾患女性患者について、身体・心理・社会・文化的側面からその特徴を探求する。次の段階では、基礎調査から抽出された内容および要素をもとに支援プログラム試案を開発し、専門家との検討を通して、循環器看護モデルを構築する。また、対象施設との連携・協力のもと、臨床適用のできる支援プログラムの作成を行いその有用性について検証する。2年目となる2022年度は、文献的考察とともに抽出された主要概念をもとに、教育プログラム試案を作成し、日本型循環器看護モデルに必要な要素の抽出および内容の構造化を行った。次年度に向け、臨床適用に向けた検討を行いながら、研究分担者を追加することとなった。わが国の政策により女性の活躍や社会的進出が拡大する中で、今後新たなリスクの増加も懸念されるため、性差を考慮した循環器病の予防対策を考えることは非常に重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想以上に新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たず、研究施設での調査実施の調整が難航しているため、計画よりも進捗がやや遅れていると自己評価する。現在、基礎調査をもとにした支援プログラム開発の最終段階にあり、今後臨床適応するための方策について十分に検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、研究分担者の施設で虚血性心疾患をもつ女性を対象とした調査を実施することを計画している。虚血性心疾患女性患者を対象に、日本型循環器看護モデルに基づいた支援プログラムを実施し、プログラムの定量的および定性的な評価を行う。支援プログラムは臨床実践に適用できるように、調査施設の医師や看護師を中心としたワーキンググループを形成しディスカッションを行う。循環器専門医や臨床看護師、研究者などを対象に、支援プログラムの妥当性ならびに適切性に関する評価を依頼する。これらの結果に基づき、支援プログラムの有用性を検討し、性差を考慮した虚血性心疾患女性患者への支援のあり方について探求する。新型コロナウイルス感染症の状況によって、万一、調査計画に変更がある場合でも、計画全体に延滞をきたさないように配慮し、調査の成果については、研究会や学会等で発表を行い、広く情報発信を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 2022年度の研究費の未使用額は、予定していた調査がコロナ禍による研究施設側の理由により中止となったため生じたものである。 (使用計画) 2023年度は、未使用額と併せて、支援プログラムの開発および質問紙調査費用の他、主に学会参加費、研究成果の論文投稿費用等に充てる。
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Research Products
(3 results)