2021 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院のプライマリナースによる退院支援に内在する臨床知識
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21K10736
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐々木 ちひろ 千葉大学, 大学院看護学研究院, 助教 (50845071)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 退院支援 / 急性期病院 / プライマリナース / 看護援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、急性期病院で退院支援を要する患者に対してプライマリナースが行っている退院支援に関わる看護援助を明らかにすることである。 研究実施計画として、まず、全国の急性期病院で病棟看護師として勤務している経験年数5年以上の看護師約20名を対象にWEBインタビューを実施し、直近1年以内に担当した患者へ実施した退院支援を含む看護援助について、その看護援助行為と看護師の意図をセットにして聞きながらデータ収集を行う。次に、得られたデータを質的帰納的に分析し、明らかになった看護援助同士の関係性をわかりやすく示すための看護援助構造図を作成予定である。 2021年度は、2カ所の急性期病院に研究依頼をし、合計10名の病棟看護師へ個別のWEBインタビューを実施した。インタビューにおいては、単に経験した事例を語ってもらうのではなく、特に患者の看護に責任をもつプライマリナースが、退院支援においてどのような意図で患者や家族の意向をくみ取り、支え、関係者と協働しているのかに焦点を当て、対象者に自由に語ってもらうことでデータ収集を行った。また、インタビュー実施にあたっては、新型コロナウイルス感染症拡大状況等を踏まえ、研究対象者にできるだけ負担が少ない時期を適宜相談し、見計らいながら実施した。3月末時点で10例中3例の分析に着手し、前述したインタビューの視点からデータ収集が行えているかどうかを点検しながら、インタビューガイドを適宜洗練させていった。 2021年度の研究成果を踏まえ、2022年度以降も引き続き病棟看護師へのWEBインタビューを実施し、分析と並行しながらプライマリナースによる退院支援に内在した看護援助の特徴を明らかにし、最終的には初学者への教育ツール作成を視野に入れながらその基盤を固めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従い、複数の急性期病院に所属する合計10名の病棟看護師にWEBインタビューを実施し、うち3例の分析を並行して進めるなかで、研究目的に沿ったデータ収集が行われていることを確認できたため、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究成果を踏まえ、2022年度以降も引き続き全国の複数の急性期病院へ研究依頼を行い、病棟看護師へのWEBインタビューを継続する。データ収集と並行して分析を行いながら、収集したデータの飽和状況を適宜確認する。また、2023年度に予定している看護援助構造図の作成および研究成果公表に向けて、急性期病院のプライマリナースによる退院支援に内在する臨床知識をわかりやすく示すためのツール作成準備を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、対象者へのインタビュー日程の変更を複数回伴ったことに伴い、謝礼の送付を次年度に持ち越した。そのため、2022年度に2021年度のインタビュー対象者への謝礼を送付するとともに、引き続きデータ収集および分析に関連する費用を研究計画に沿って支出する。
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Research Products
(1 results)