2022 Fiscal Year Research-status Report
ピアサポートを活用した「患者の体験知を医療に生かすケアシステム」の構築
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21K10741
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小野 美穂 岡山大学, 保健学域, 准教授 (20403470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 浩子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (90321207)
上田 伊佐子 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90735515)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ピアサポート / ピアサポーター / ピアサポートプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
がんピアサポーターについて、がん診療連携拠点病院対象の調査結果では、活動しているピアサポーターが自施設にかかっている患者:34.7%、他施設・他団体の患者:15・3%、その両方:41.5%と最も多かった。ピアサポーターが研修を受けていると回答した施設が57.6%、受けていないが16.1%、自施設でピアサポーター研修を行っている施設は14.4%、そのうち「ピアサポーター養成研修テキスト」を主に使用している、または参考にしているが64.7%を占め、85.6%を占めた自施設でピアサポーター研修を行っていない施設については、外部(都道府県や他組織)で開催されいるピアサポート養成研修を活用しているが64.4%であった。活動しているピアサポーターすべてが研修を受けている施設が32.3%、すべてではないが研修を受けたピアサポーターが中心となっているが28.0%、一方、研修を受けたピアサポーターはいない施設が20.3%存在した。研修を受けていないピアサポーターが活動している施設においては、研修を受ける場が近くにないことや忙しさ等の理由で受けられない、また、充分な実績のある院内患者会のコアメンバーで活動しているためなどの理由が挙げられ、ピアサポーター研修を受けていないことに関して、物理的にやむを得ないケースと特に必要性を感じていないケースの両方の理由が存在していた。 国のがん対策推進基本計画の中で,がん患者・経験者との協働を進めピアサポートを充実するよう努めることが掲げられ、多くのがん診療連携拠点病院がピアサポート事業に取り組むようになった。しかし、今回の調査を受け、ピアサポーター養成も含め担っている施設はまだ少なく、実際には研修を受けていないピアサポーターが多く活動している実態が明らかとなり、ピアサポーターの質保証に関する課題が浮き彫りとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19感染拡大によりピアサポート活動を行えない、または行うことが難しい期間が3年間と長引いたことにより、ピアサポート活動に関する研究も予定通り前に進めることができない状況がしばらく続いたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Covid-19収束により、ピアサポートの活動実態の把握や患者へインタビューが可能となるため、滞っていた調査を積極的に行う。共同研究者との対面での共同作業(分析等)も2か月おきに設定し、Covid-19の影響により遅れた手続きを少しでも取り戻せるよう努める。国際学会への参加を再開し、海外の知見も積極的に得る。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国際学会参加がCovid-19感染拡大によりできなかったため、次年度、国際学会(APHA,アトランタ,2023年11月)にて発表予定。またCovid-19感染拡大により延期となっていた患者や医療者へのインタビュー調査を実施するため、インタビューデータの反訳費用や質的データ分析用のテキストマイニングソフトの購入を計画している。
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Research Products
(1 results)