2022 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者の睡眠の質を高める看護介入プログラムの作成と介入効果検証
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21K10751
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
武内 玲 兵庫県立大学, 看護学部, 客員研究員(研究員) (60707769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 真志 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (00254467)
川田 美和 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (70364049)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 睡眠 / 活動 / 座位行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の精神科における入院期間は,諸外国に比べ長期化していることが問題となっており,その中でも統合失調症患者の割合が一番多いと言われている。長期入院の理由は様々だが,患者のセルフケアレベルにアプローチし,退院支援に取り組むことは看護の役割である。 統合失調症患者の多くが不眠症を有していると報告されている。睡眠の状況は症状と関連すると言われているが,患者が自身の「睡眠」をどのように捉えているのか,わが国ではほとんど明らかになっていない。さらに,統合失調症患者の睡眠の質の低下や活動性の低下などの特性は明らかになっているが,それらを改善するための効果的な方略についての研究もほとんど行われていない。 そこで本研究では,統合失調症患者の「睡眠」の捉え方を明らかにし,その特性を踏まえ活動と休息のメリハリを示す睡眠覚醒リズムの周期性(振幅)に着目した睡眠の質を向上させる介入プログラムを作成し,実際に介入して効果を検証することを目的としている。 日本において、統合失調症患者を対象にした質的研究はほとんど見られない。睡眠と症状が関連する疾患を持つ人々が「睡眠」をどのように捉えるのかを知ることは、今後の精神科における看護ケアを考える上で重要なことだと考える。一方で,患者の活動を量的に測定する活動量計を入浴時以外24時間着用してもらうことは難しく,先行研究においても測定機器を継続的に着用できない研究協力者が多かった。そのため,データを正しく測定するための手順には課題がある。主治医や病棟看護師と,どうすれば患者が活動量計を服に装着したまま過ごすことができるか検討を繰り返し行った。また、本研究の基盤となる統合失調症患者の睡眠と活動の指標の一つである座位行動の論文の英文投稿に向けて準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続きCovid-19の影響が残っていたことに加え、研究協力施設においてCovid-19のクラスターが複数回発生したことにより,病棟に入り入院患者と関わることも病棟看護師との研究相談を進めることも予定通り行うことができなかった
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Strategy for Future Research Activity |
Covid-19が5類感染症に移行したことにより,研究協力施設の受け入れ体制が整いつつある。そのため,入院中の統合失調症患者を対象に質的研究と介入研究を行う。まず質的研究を行い,睡眠の質は気候の影響を受けやすいため,極端な気候ではない秋頃に介入研究を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の対象者は入院している統合失調症患者であり,Covid-19の影響を排除し,研究を遂行することが困難であった。特に本年度は,研究協力施設において複数回のCovid-19のクラスターが発生し,予定通りに研究を遂行することができなかった。 しかし,研究協力施設との調整や本研究で最も困難となる測定機器を研究協力者となる患者に正しく装着してもらうための説明などの研究準備を行うことはできており,Covid-19が5類感染症に変更になった今年度は,本研究を実施することができる予定である。
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