2021 Fiscal Year Research-status Report
手軽で効果的に実施できるフットケア開発のためのシャボンラッピング法の検討
Project/Area Number |
21K10770
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Research Institution | Jobu University |
Principal Investigator |
本吉 美也子 上武大学, 看護学部, 教授 (70612836)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フットケア / シャボンラッピング法 / 足浴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は従来型の足浴よりも手軽に実施できるフットケアの一つであるシャボンラッピング法の手法を確立し、その効果を明らかにすることである。その第一段階として初年度は洗浄・保湿効果のあるシャボンラッピング作成方法の確立を目指した。 きめ細かな石鹸の泡立ちは皮膚の洗浄効果を高めることが示されているため、このような泡を作成するためには、石鹸液と水分をどのくらいのバランス比で攪拌・混合すると洗浄に十分な泡を作成することが出来るのか実験を行った。 使用する石鹸液は手軽に入手できることが重要なため、大手ドラッグストアで市販されている液体石鹸(ボディーソープ)を数種類準備した。まず石鹸液と水の最適な混合比を明らかにするため、せっけん液0.5mlに対して5倍から30倍の水を混合させ、泡のきめや量を観察した。さらに泡立後、泡と水分が分離し始める時間も測定し、5分間以上持続しているものはどの混合比かを確認したところ、石鹸液の種類により5倍から20倍の混合比が適当であった。さらに実際に一定時間下肢を泡で包むことができるかを確認するため、30リットルのビニール袋を準備し、そこに先の実験で明らかになった適切な混合比の石鹸液と水を入れ、十分泡立たせ、再度泡のきめと量、水と分離しない持続時間を観察した。 これにより液体石鹸と水の混合比は1:10~20が適量と考えられた。しかし液体石鹸の種類によっては十分に攪拌・混合した後でも5分以内に水と分離してしまうものもあり、このようなものは水分により冷感を与える恐れがあるためシャボンラッピング法に用いるには適さないことも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
十分な泡立ちのシャボンラッピングを作成する方法についてはある程度目途がついた。しかしコロナ禍の感染対策により、対面での実験実施が困難な期間が長期に渡ったため、人を対象とした実験を実施することができず、その効果を検証するに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は20名程度の被験者を募り、シャボンラッピング前後の下肢の洗浄効果と皮膚の水分量の変化を測定する。洗浄効果については、手洗い確認用の蛍光塗料入りローションを下肢に塗布し、実施前後でその除去率を写真撮影にて判定する。皮膚の水分量に関しては実施前後に下肢の3カ所(足背・足底・足踵)の保湿量を計測器で計測する。さらに被験者にこのフットケアの爽快感なども評価してもらい、客観的・主観的データにより洗浄・保湿効果のある快適なシャボンラッピング法を確立させる予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度はコロナ禍のため学会出張もできず、実験での謝礼金も支払う機会がなかったため余剰金が発生した。次年度はこれらも活用して実験を勧めデータを収集していく。
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