2021 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患患者の自己管理能力における精神・心理的特性の実践的分析
Project/Area Number |
21K10782
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
江越 正次朗 京都橘大学, 健康科学部, 助教C (30894290)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真一郎 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (50211488)
松永 由理子 (明時由理子) 九州大学, 医学研究院, 講師 (50612074)
堀江 淳 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (60461597)
高橋 浩一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (70549071)
中川 明仁 新潟リハビリテーション大学(大学院), 医療学部, 講師 (90639296)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 身体活動性 / 精神・心理特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究の目的である慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の自己管理能力の欠如に関連する精神・心理特性を明らかにするための前段階として、研究対象となる外来管理中の安定期COPD患者において、本研究の自己管理の指標とする身体活動性に、どのような身体特性が関連するかを予備的に調査した。その結果、身体活動性と全身持久力や心理特性との関連が確認され、研究対象者の身体活動性に関連する因子について明確にすることができた。我々が研究対象にする予定であるCOPD患者の身体活動性には、身体機能や心理特性が関連すること明確となり、身体活動性向上への介入にも、これらの身体機能や心理特性が関連することが予測され、今後の研究の方向性を定めることができた。このことについて、研究論文としてまとめ報告を行った。 また、本研究の実施に先立ち、倫理審査委員会で承認を得る必要があったため、研究代表者の属する研究倫理審査委員会に申請書を提出し、受理された。 次に、研究対象者をリクルートする必要があったため、運動習慣と身体活動性について対象に該当するCOPD患者に対し調査を行った。本研究対象者は、身体活動性が低いものを対象に、身体活動性を向上させる認知行動療法を中心とした介入を行っていくため、運動習慣がない者を問診にて調査し、身体活動性については、3軸加速度計を使用し日常の身体活動性について調査して、低身体活動である対象者のリクルートを開始した。 その他、研究に必要となる精神・心理特性の調査用紙や研究機材の準備や、共同研究者との研究の打ち合わせを実施し、本研究が開始できるように準備を進めてきた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象者のリクルートのため、運動習慣と身体活動性について対象に該当するCOPD患者に対し調査を開始し、運動習慣がない者を問診にて調査し、身体活動性については、3軸加速度計を使用し日常の身体活動性について調査して、低身体活動である対象者のリクルートを開始した。当初の計画では、令和3年度の後半から令和4年度の前半にかけて、患者のリクルートを行い、患者への初期評価と認知行動療法による治療介入を予定していたが、新型コロナウィルスの感染状況が拡大しており、研究協力施設への立ち入りが制限されたため、患者の初期評価の一部は実施できたものの、介入までに至ることができていない。現在実施できた評価としては、初期評価で予定していた精神・心理特性での、東大式エゴグラム、健康管理の自己効力感、不安・抑うつ、健康関連QOL、認知機能以外での一般情報、身体特性については評価ができている。しかし、精神・心理特性の認知機能については未評価の状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、本研究の対象者である低身体活動のCOPD患者のリクルートについて引き続き継続して実施していく。実施方法として、運動習慣がないか、もしくは3軸加速度計にて評価を実施していく。また、現在未評価である認知機能の評価を実施していく。その後、認知行動療法の介入を実施していく。実施方法は、カウンセリングによる介入を月に1回実施していく。現在、1施設のみで開始しているが、評価と介入の流れが順調に進んでいくことの確認が取れたら、更に対象施設を研究協力施設の中から追加して、研究を遂行し、対象者数を増加させていく。 対象者のデータが蓄積できてきたら、令和4年度の後半からはデータの解析を実施していく。解析方法としては、今回実施した認知行動療法により、自己管理能力が向上し、身体活動性が向上した者と、自己管理が上手くいかず身体活動性が向上しなかった者の違いについて、精神・心理特性の評価結果を元に解析を進めていく。 研究を遂行していく中で、対象者のリクルートが不足した場合は、さらに研究協力施設に調査の依頼を行い、追加して対象者の確保に努めていく。
|
Causes of Carryover |
本年度においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、研究対象者への感染予防の観点から、調査を中止することがあり、研究協力施設でのデータ収集が十分に行えなかった。そのため、研究協力施設への出張旅費が計画通りに執行できていない。また、研究がやや遅れている関係もあり、研究データの解析を実施する期間が予定よりも延期となることが予測されたため、研究データ解析に必要となるパソコンと解析ソフトの購入をまだ行っていない。そのため、本年度に予定していた執行額に至っていない。 次年度においては、研究対象者へのデータ収集を継続して行っていき、本年度に未購入であった研究データ解析に必要となるパソコンと解析ソフトを購入し、解析を行っていく。また、当初から予定していた次年度の助成金については、本年度の研究データの収集が十分に行えていないため、データ収集を行う研究協力施設への依頼を追加してデータ収集を行うことを予定しており、従来の研究協力施設と追加の研究協力施設への出張旅費等に使用していく予定である。
|