2022 Fiscal Year Research-status Report
終末期がん患者の尊厳回復と遺族ケアの補助ツールThis is Me!シートの開発
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21K10789
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Research Institution | Japanese Organisation for Research and Treatment of Cancer |
Principal Investigator |
羽多野 裕 特定非営利活動法人JORTC, 臨床研究部門, 外来研究員 (30516034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 一石 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床講師 (70706639)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 終末期ケア / 家族ケア / 尊厳 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目として、昨年度に引き続き症例集積を継続した。昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の流行による面会制限の影響や、多忙、精神的負担などの理由で参加拒否の意思表示をする家族も多く、研究登録が伸び悩んだ。また子供が遠方や多忙などの場合に配偶者が主な介護者となるが、必然的に配偶者も高齢であることが多く、理解力や精神的負担などから研究の案内が困難と判断されることも少なくない。これらの影響により研究参加者は年度末時点で合計14例にとどまっている。 また、本研究では家族に計3回アンケートを実施するが(登録時、シート作成後、死別3カ月後)、入院期間が短くシート作成後間もなく死亡退院するケースや、患者死別後にアンケート返信のない場合もあり、試験完遂に至った数は10例である。 介入を行った患者の受け持ち看護師に対しての退院後アンケートについては参加同意後も未回答のままという場合もあり(リマインドもしているが)、年度末時点で10名より有効回答を得ている状況である。 実施可能性については、症例が集積される度に作業は効率化されてきており、通常臨床業務に過度な負担がかかることなく継続できる体制で行えていると考える。来年度も目標の20例登録を目指し引き続き症例集積を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度よりはやや緩和されたが、新型コロナウイルス感染症の流行による面会制限の影響をうけ進捗は遅れている。また緩和ケア病棟に入院する患者の平均在院日数は年々短くなってきており、シート作成はできても家族から質問紙の回答を得る前に退院となるケースが続いたことも進捗に影響したと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
適格基準はほぼ緩和ケア病棟に入院する患者・家族全員に該当するため、引き続き幅広く積極的に研究参加を呼び掛けていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行の影響で、学術大会がオンライン開催となることが多く、計上していた旅費や宿泊費を使わなかった影響が大きい。次年度は現地開催の学会も増えてくると予想され、計上した費用を使用して旅費および参加費として使用する予定である。また次年度には研究登録終了を目標としており、その後のデータ解析や学会発表、論文執筆に必要な経費として使用する予定である。
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