2022 Fiscal Year Research-status Report
細菌の遡上の抑制に注目した病院感染の防止策の構築のための基盤研究
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21K10800
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
内田 美保 聖徳大学, 看護学部, 教授 (20811756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 順 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (90510363)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細菌 / 遡上 / 湿り気 / ペニシリンダー / シリコンチューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、細菌の遡上が排水管以外の医療材料や医療機器で使用される素材において観察される一般的な現象であるかの検証(課題1)および、BHI培地による最近の遡上の抑制効果の分子機構を解明することである(課題2)。 令和3年度、令和4年度に行う予定であった計画1.細菌の遡上が多種の素材の管で観察されるかについての検証については、令和3年度に実験を行い、ステンレス以外の素材としてシリコンチューブを用いて実験を行った。長さは1cm、外径は約8mmの同サイズのものを用いた。細菌は大腸菌を使用し、BHI(brain heartinfusion)および生理食塩水を10mlを入れた滅菌シャーレにそれぞれ4本ずつ立てた。管の天井部分に生理食塩水20μlを滴下し、湿らせたペーパーデスクを載せて1時間後にペーパーデスクを液体培地に入れ、72時間培養した。使用したステンレス管とシリコンチューブは菌液に立てる直前に生理食塩水に浸漬した。結果は、ステンレス管とシリコンチューブの全てから菌の検出が確認された。この結果より、ステンレス以外の素材でも細菌は遡上することが確認することができた。しかし、コントロールとして管を湿らせず菌液に立てる群についておよび、管の天井部分に乗せるペーパーデスクの乾燥した群についての実験をすることができなかった。令和4年度は継続した実験を進めることができていなかったが、文献研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大学を異動したため、実験環境を整えることができなかった。現在、実験の可能性について学内での可能性を模索している状況である。場合によっては、学外での研究も視野に置く必要があると考える。現時点でできることとして、文献研究を行っている。さらに自身が体調を崩したため思うように研究できないという実情もあったため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験環境が確保できれば、昨年度に実験した結果をもとに継続した実験を進めたいと考える。すなわち、細菌は大腸菌を使用し、金属、シリコン以外の素材について遡上実験を行う。さらに管の太さについては2cm、3cmを検討する。
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Causes of Carryover |
実験環境の整備ができなかったため、関連する消耗品等の支出がなかったことにより次年度使用が生じた。実験を続行するための物品購入費として、具体的には細菌をはじめ必要な実験器具・器材を検討する。大型の機材については何らかの方法で借用することを検討する。
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