2023 Fiscal Year Research-status Report
Effect of nursing based on visual-narrative approach in seclusion room
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21K10811
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
長山 豊 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (10636062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 達也 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10334773)
田中 浩二 金沢大学, 保健学系, 教授 (40507373)
中野 修 金沢医科大学, 医学部, 助教 (10967912) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ビジュアルナラティブアプローチ / 保護室 / 行動制限最小化 / リカバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
保護室使用患者へのビジュアルナラティブアプローチによる精神症状評価尺度およびリカバリー評価尺度の経時的な得点の変化・推移に関する解析手法として、マルチレベル分析に関する情報収集を行い、尺度得点の変化の特徴に関する分析技法について検討した。 また、精神科看護職の看護実践能力とリカバリーを支援する能力との関連に関する先行研究の知見を踏まえて、本研究におけるビジュアルナラティブアプローチにおけるリカバリー向上に向けた看護実践との共通点について検討した。本研究の枠組みはビジュアルナラティブアプローチを臨床の看護実践に結びつけていく接点を明確化することが課題である。看護師は、普段の看護実践において保護室使用患者の病気に対する捉え方、生活における気がかりや困りごとなど、患者が意識化・焦点化している内容について言語的な表出を促す関わりを試みている。この普段の看護実践に加えて、対象の内的表象をビジュアルナラティブを介して具現化することにより、患者の病気に対する捉え方に新たな意味づけをもたらしたり、生活における気がかりや困りごとに対する問題解決へのアプローチの変化が期待される。対象患者が投影した精神世界をビジュアルで浮かび上がらせて、そのビジュアルを介したナラティブの創出そのもののプロセスについて記述及び評価するための研究方法についても検討し、社会的相互作用の変化のプロセス・構造を導き出す修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチが適合する可能性があると判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は、データの分析方法についての見直しを行い、研究計画の修正に時間を要した。さらに、研究対象施設でビジュアルナラティブアプローチを用いた介入に適応する対象の選定が進んでおらず、研究対象施設との調整が遅れてしまっていたため、データ収集の開始が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象施設の管理者に、研究実施が可能な対象の選定について早急に調整を行い、データ収集を開始する。また、データ収集と同時並行で、ビジュアルナラティブアプローチの介入の継続による精神症状評価尺度、リカバリー尺度などの得点変化、および、対象の病気の捉え方や生活上の気がかりや困りごとへの認識・感情・行動の変化について解析を進める。
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Causes of Carryover |
2023年度は、データの分析方法についての見直しにより研究計画の修正に時間を要したこと、研究対象施設でビジュアルナラティブアプローチを用いた介入に適応する対象の選定が遅れたことによって、研究対象施設との研究実施に関する調整に時間がかかっており、データ収集の開始が遅延している。そのため、研究対象施設におけるデータ収集に関する調査旅費、インタビューデータのテープおこしの費用を支出しなかったため、次年度使用額が生じた。令和6年度は調査旅費、テープおこし、研究成果の学会発表における学会旅費や参加費、論文の英訳および学会誌への掲載料に使用する。
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