2023 Fiscal Year Research-status Report
周産期に備えた若年女性のウエルネス向上を目指すヘルスケアラボの構築
Project/Area Number |
21K10820
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鏡 真美 (関塚真美) 金沢大学, 保健学系, 教授 (60334786)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毎田 佳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20397219)
南 香奈 金沢大学, 保健学系, 助教 (30819389)
田淵 紀子 金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (70163657) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 若年期 / 女性 / ウエルネス / セルフケア / ヘルスケアラボ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は若年期女性の健康状態を可視化する方法を確立し,ウエルネス向上に効果的なセルフケア方法を策定することにより,周産期に備えた若年女性のウエルネス向上を目指すヘルスケアラボを構築することである。健康状態の可視化はこれまでの研究成果をもとに,看護学・量子医療技術学・病態検査学・リハビリテーション科学・医用工学の各分野の研究者により,客観的かつ簡易的に健康状態を評価する方法の確立を目指す。さらにウエルネス向上に効果的なセルフケア方法を策定し,その効果を検証する。 令和5年度は女性自らが実施できる「生活改善を中心としたセルフケア」の考案の一つとして,冷えを呈する若年女性に対するセルフケアの方法について,令和4年度までの若年女性に対する下腿運動の実施期間を従来の1週間から4週間に延長し,深部温の変化と身体的自覚症状の変化を明らかにすることで,下腿運動による若年女性の冷え改善の効果を検証した。恒温恒湿室での運動前から運動後にかけて深部温のモニタリングと,質問紙調査,下肢筋肉量の調査を行った。対象は基礎疾患のない20代女性であり,18名が分析対象になった。下腿運動は運動装置を用いて,1日1サイクル(5分間の下腿運動-5分間のインターバル-5分間の下腿運動)を実施した。 冷えの程度が大きい群では,介入後に足背深部温が有意に上昇した(p=.049)。また,冷えの程度が大きかった4名中3名(75.0%)が足部および身体が温まったと評価した。 以上より,下腿運動を継続して実施することは,特に冷えの程度が大きい若年女性に対する冷え改善の有効なセルフケアになりうると示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は女性の健康問題につながる要因として,「冷え」・「ストレス」・「骨盤の歪み」を着眼点としており,「冷え」に関する可視化とセルフケア方法の考案は順調に進展している。しかし,「ストレス」・「骨盤の歪み」の可視化とセルフケア方法の考案はやや遅れている。とくに研究開始時よりCOVID-19の影響により,ストレス関連物質評価のための検体採取が不可能であったことが計画進行の遅れにつながっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ストレス関連物質評価のための検体採取が不可能な時期があったことに伴い,順次計画が遅れたことにより当初計画案の実行が難しいため,次年度の計画を一部修正する予定である。具体的には「冷え」に関する可視化とセルフケア方法の考案に焦点をあて,セルフケア方法の有用性を提示する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては以下2点である。1点目は研究開始当時の初年度におけるCOVID-19の感染拡大により,年次計画の遅れが順次生じたためである。2点目は参加予定であった学会がオンライン方式となり,出張に関わる旅費や宿泊費等を使用しなかったためである。
|