2022 Fiscal Year Research-status Report
ダウン症者における在宅での簡易検査を用いた睡眠呼吸障害の評価と睡眠支援の構築
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21K10823
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
黒田 裕美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50512042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70404209)
樗木 晶子 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (60216497)
安藤 眞一 九州大学, 大学病院, 特別教員 (90575284) [Withdrawn]
今村 明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40325642)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ダウン症候群 / 閉塞性睡眠時無呼吸 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症候群がある者(以下、ダウン症者)の健康問題の一つに睡眠障害がある。ダウン症者の50~80%に閉塞性睡眠時無呼吸があり、さらに、ダウン症者は睡眠習慣による睡眠障害も多いことが報告されている。ダウン症者における睡眠障害の症状は夜間覚醒が多く、夜間覚醒は閉塞性睡眠時無呼吸と睡眠習慣による睡眠障害のどちらにおいても観察される症状である。以上のことから、ダウン症者の睡眠障害を支援するため、早期に医学的要因かそれ以外の要因であるかを判別し適切な介入が重要である。しかし、ダウン症者やその家族にとって、医療機関での睡眠呼吸検査は負担が大きく、診断や治療を困難にしている。 本研究の目的は、①ダウン症者を対象に自宅での終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定を実施し、睡眠中の動脈血酸素飽和度低下や脈拍数の変動を明らかにする。②保護者などを対象に質問紙調査を行い、ダウン症者の睡眠習慣・行動、睡眠時無呼吸関連症状、認知機能評価(日本語版CS‐DS)を調査し、これらの関連を検討する、の2点である。調査は2回実施する。①②により、ダウン症者の睡眠時無呼吸及び睡眠習慣・行動の実態や変化、睡眠障害と認知機能の関連を明らかにする。ダウン症者が自宅などの慣れた環境で簡易睡眠呼吸検査を行い、睡眠評価を行えるシステムを構築する一助となる。 1回目の調査が終了し、ダウン症者20名が調査に参加した。睡眠時無呼吸関連症状がある者は、いびき12名(60%)、夜間覚醒12名(60%)、寝起きが悪い11名(55%)であった。酸素飽和度低下指数は1時間あたり平均13.7回であった。 また、ダウン症者とその家族を対象に、ダウン症者の睡眠の特徴や検査、治療などについてセミナーを開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は4年間で計画し、2年目が終了した。年次計画の1段階目である初回の調査は予定通りに終了した。さらに、ダウン症者とその家族を対象としたセミナーを開催するなど、睡眠支援の構築に向けた取り組みが実施できた。 以上のことから、年次計画に沿って進行しており、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の研究方策は、研究計画の年次計画に沿って実施する。 次年度は、2回目の終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定および質問票による調査による睡眠呼吸障害や睡眠障害、認知機能評価を実施する。
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Causes of Carryover |
当初の計画では国際学会への参加を予定していたが、国内学会の参加に変更したため次年度使用額が生じた。また、統計解析用ソフトの購入を予定していたが、購入時期を2回目の調査に合わせて購入するように購入時期を延期したため、次年度使用額が生じた。 今年度の使用計画は、国内学会への参加、および統計解析用ソフトの購入に使用する予定である。
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