2021 Fiscal Year Research-status Report
離島地域におけるモバイルヘルスを活用した産後ケアプログラムの開発
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21K10853
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本多 由起子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (90782219)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 産後ケア / モバイルヘルス / メンタルヘルス / オンライン支援 / 離島 / へき地 / 社会疫学 / 母子保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、モバイル端末を用いた産後ケアプログラムを開発し、開発したプログラムの育児およびメンタルヘルス支援における有効性の検証を通して、離島地域で暮らす母親に対する効果的な支援を構築し、離島および日本の母子保健向上に資することである。第Ⅰ相として、乳幼児健診等を訪れた母親を対象とする探索的横断研究を実施し、産後ケアのニーズやオンライン支援に関するレディネスの現状把握を試みる。第Ⅱ相では第Ⅰ相の知見を反映し、モバイル端末を用いた産後支援のためのプログラムを検討し、開発を行う。第Ⅲ相では、ランダム化比較試験(RCT)により「新生児訪問」「新生児訪問+モバイル端末を用いた産後ケアプログラム」の2群における支援効果を検証する予定とする。
【2021年度の概要】 2021年度の実施概要は次の通りである。まずはじめに国内・国外の先行研究に関する文献レビューを行い、我が国におけるモバイル端末を利用した母子保健事業の現状に関する探索的な事前調査を行った。つぎに、研究対象地在住で0歳から就学前の乳幼児を養育している母親を対象とした横断研究を実施した。具体的には、乳幼児健診等の母子保健事業の機会を活用して母親に対するリクルートを行い、母子基本属性、分娩授乳方法、産後ケアニーズ、ケアに対する支払い可能金額、オンライン支援ニーズ、インターネット環境、育児の悩み、ソーシャルキャピタル、孤立の有無、抑うつ(K6)、飲酒、喫煙などを測定項目とするアンケート調査を実施した。さらに、アンケート調査で得られたデータを記述的・検証的に解析し、解析結果の一部について、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第Ⅰ相の事前準備および探索的横断研究に関しては、おおむね当初予定の通りに実施され、データ収集を完了、解析結果の一部がすでに学会発表されている。続く第Ⅱ相のプログラム開発は、新型コロナウイルス感染症まん延等の理由により、協力自治体やその他関係者との調整等に困難が生じ、着手にやや遅れが生じている
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Strategy for Future Research Activity |
協力自治体における新型コロナウイルス感染対策に配慮しつつ、2022年度にはモバイル端末を活用した産後支援プログラムの検討・開発を推進する。開発にあたっては、前年度のアンケート調査結果で得られた知見を参照し、また必要に応じ、対象者へのヒアリングなどの追加調査の可能性をも検討しながら、研究を進める方針である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行継続により、計画していたモバイル端末活用による産後支援プログラムの開発着手が遅れたため、次年度の実施予定として計上した。次年度はプログラム開発にかかる諸費用(機器購入、開発委託費、ソフト使用料、通信費等)や、延期していた調査費用(旅費等)に充てる予定である。
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