2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K10869
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
眞野 祥子 摂南大学, 看護学部, 教授 (90347625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 あずさ 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00434960)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 注意欠如・多動症 / 母親 / 認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、出来事を否定的に歪めて捉える物の見方である推論の誤りに焦点をあて、Beckの抑うつ認知理論を枠組として育児ストレッサー、推論の誤り、抑うつ、養育態度の因果関係をモデル化することを目的としている。2021年度は主に、推論の誤り、抑うつ認知理論、母親の抑うつ、ADHD児の母親の特性、養育態度に関する国内外の先行研究を整理した。その結果、親の養育態度について、例えば内田ら(2011)は共有型・強制型・自己犠牲型の 3 分類を提案し、伊藤ら(2014)は、養育行動を構成する因子として関与、肯定的応答性、見守り、意思の尊重、過干渉、非一貫性、厳しい叱責・体罰の具体的な因子を定義している。また尺度構成として、ポジティブな養育態度とネガティブな養育態度の質問項目数のバランスも研究により異なる。このような要因の違いによって研究結果が変わってくることが考えられるため、尺度選定の際にはこの点を十分考慮する必要がある。推論の誤りに関する尺度も、既存の尺度は健常者を対象に作成されており、そのままADHD児の母親に用いることが適切かどうかをさらに検討する必要がある。 用いる尺度が決まったらスムースにデータ収集に移行できるように、新規研究フィールド開拓に取り組んだ。現在も、ADHD児を診察している医師、教育関係者、親の会の関係者に研究への協力を依頼しているところである。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、研究依頼が難しい場合があり今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は本研究テーマに関連する先行研究(認知、母親の抑うつ、ADHD児の母親の特性、養育態度等)を概観し、仮説設定までは進むことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集にスムースに移行できるように、採用する質問紙を吟味しながら研究フィールド開拓を行い研究協力者を募っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、情報収集、新規フィールド開拓のための出張や学会参加が難しかった。次年度は学会開催が見込まれるため積極的に学会に参加して最新の知識を得るとともに、研究フィールドを拡大していく。
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