2022 Fiscal Year Research-status Report
学童期血友病児の口腔内出血と口腔疾患を予防する包括的口腔ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
21K10873
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Research Institution | Fukuoka Nursing College |
Principal Investigator |
青野 広子 福岡看護大学, 看護学部, 講師 (50733870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯野 英親 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (20284276)
松尾 陽子 久留米大学, 医学部, 助教 (90368910)
中村 加奈子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 准教授 (90584516)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血友病 / 学童期 / 口腔衛生行動 / 口腔関連QOL / 口腔内慢性炎症性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、血友病児と健康な子どもの口腔保健行動を比較し、保健行動モデルを基盤とした、口腔内出血とう蝕・口腔内慢性炎症性疾患(歯周炎・歯周病)を予防するための包括的口腔ケアプログラムを開発することである。 6~18歳の血友病をもつ子どもの母親を対象に、わが子の普段の生活と止血管理の状況・子どもの口腔内環境の現状・口腔保健行動の現状・成長に伴う気がかりについてインタビュー調査を実施した。その結果、母親は、血友病だからこそ必要な口腔保健行動の認識があいまいな中、手探りでわが子の口腔内出血へ対応していた。また、子どもの発達に伴う口腔内のトラブルの予測ができず、対処の準備が不足している状況だった。口腔保健行動において、母親は、子どもの歯科受診の方法や歯科医に対する血友病の開示が困難な中、試行錯誤しながら歯科を選定し、口腔ケアの道具の選択に戸惑いながら子どもの口腔保健行動を支援していた。子どもは、血友病を意識することなく口腔ケアを実施していた。口腔内には、う蝕と口腔内慢性炎症性疾患様の症状を散見した。 一方、健康な子どもの口腔保健行動に関する文献検討の結果、子どものう蝕の数は、生活習慣の乱れと子どもの歯に対する親の知識、そして、親の貧困や育児の相談ができない環境などの社会的状況に関連があった。定期的な歯科受診やデンタルフロスの使用は、う蝕や歯肉炎の予防に効果的であった。血友病の子どもが困難な傾向にある歯科受診とデンタルフロスなどの道具を用いた口腔ケアは、う蝕や口腔内慢性炎症性疾患の予防に効果的であり、血友病の子どもの口腔保健行動の強化点と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学会や勉強会の参加、患者会など対象者の集まりへ参加を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、対面での学会の縮小やイベントの中止により、参加することができなかった。また、感染予防の観点から、研究協力機関へのアクセスが難しい傾向にあった。
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Strategy for Future Research Activity |
前回調査の比較分析の結果をもとに、対象者への質問紙調査を計画している。血友病の学童期の子どもの口腔保健行動の実態を抽出し、血友病の子どもの適切な口腔保健行動と止血管理に対する支援について検討を重ねる。対象者、および、研究協力機関へのアクセスは、新型コロナウイルス感染症予防と対象者、および、研究協力機関の負担に配慮した方法を選択する。また、計画している研究協力機関での調査が困難な場合は、研究協力機関の拡大を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響と研究者の休職により、研究の進捗が遅れた結果、計画通りに経費を運用できなかった。今後は、調査・分析に経費を運用する予定である。
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