2021 Fiscal Year Research-status Report
多様化した小児医療現場での技能転移促進に向けた学習環境デザインモデルの構築
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21K10886
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
川名 るり 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (70265726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有元 典文 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (30255195)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小児医療 / 小児看護 / 技能 / 転移 / 学習環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多様化した小児医療現場において小児科経験のない、または、経験の浅い看護師の転移促進と組織全体の発達を支援する、組織的な学習環境デザインモデルを構築することである。 令和3(2021)年度は、調査研究を実施する準備として、異なる専門領域へ異動した看護師に関する最新の臨床研究を把握し、臨床現場の教授-学習支援における研究的課題を検討した。具体的には以下のとおりである。 1)文献検討:臨床現場において学習転移を促進させる上での課題を明確にするために、異なる年齢や様々な経験を持つ看護師同士の協働関係に着目して、専門領域を問わず広く最新の文献を検討した。また、臨床現場における期待と実情にあるギャップが生じる理由を探求するために、現場の課題分析から、臨床研究の課題分析へと視点を転換させて文献を検討した。その結果、臨床現場の教授-学習の場で起きている具体的な相互行為は未だ十分に明らかにされていないことが改めて示唆された。そして、実際の相互行為に基づいて課題解決の糸口を検討する実践研究の必要性が見いだされた。なお、この成果は日本の臨床研究の課題として、国際学会で発表予定である。 2)調査のための研究計画の再検討と調整:文献検討を踏まえ、改めて実践研究の必要性が見いだされたが、現在COVID-19によりフィールドでの実践研究を実施するのが困難になっている。そこで、調査内容及び方法の再検討を行った。今後検討した内容を次年度計画へつなげる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3(2021)年度は、当初の計画では、協働関係阻害要因と解決策の解明に取り組むため、実践研究を実施するための準備として、研究計画書を作成し、所属機関と研究実施施設の研究倫理審査委員会に諮ることを計画していた。しかし、COVID-19により現在、実践研究の見通しが不透明となったため、計画の見直しを行った。以上より、やや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4(2022)年度は、協働関係阻害要因と解決策の解明に取り組むために再検討した方法論に基づき、調査を実施するための準備を進める。具体的には、当初予定していたフィールドワークを中心とした実践研究から、複数の調査方法を組み合わせた方法論へと変更した研究計画書を作成し、所属機関と研究実施施設の研究倫理審査委員会に諮る。また、文献検討の結果を学会で発表し、情報交換することを予定している。
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Causes of Carryover |
計画していた学会や交流会がオンラインで実施されたことに伴い、旅費などが減額もしくは不要になり、次年度繰越金が発生した。次年度は参加予定の国際学会が現地開催される予定であるため繰り越して使用する予定である。
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