2023 Fiscal Year Research-status Report
地域共生社会実現に向けた医療的ケア児家族のソーシャルキャピタルに関する研究
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21K10903
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Research Institution | Osaka Shin-Ai Gakuin University |
Principal Investigator |
阪上 由美 大阪信愛学院大学, 看護学部看護学科, 准教授 (60711512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小平 由美子 岐阜聖徳学園大学, 看護学部, 講師 (30554886)
小西 かおる 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60332376)
足高 壱夫 大阪信愛学院大学, 教育学部教育学科, 准教授 (70899062)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 医療的ケア児・家族 / 地域防災力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,以下の内容の研究を進めた。 目的)医療的ケア児と家族が災害時でも安全・安心に避難できるためには, SCを醸成することが重要である。そこで,本研究は,防災活動を行っている医療的ケア児の家族会がどの様にSCを醸成しようと取り組んでいるのか,そのプロセスを明らかする。 方法)研究デザインは,質的帰納的研究である。インタビューガイドを用いた半構造化面接を行った。研究対象者は,防災の活動をおこなっている全国の7家族会である。逐語録から意味内容の類似性に基づきコード化、カテゴリ化を行った。本研究は,所属機関の倫理審査委員会で承認を得て実施した。 結果)カテゴリー「外部からの刺激・触発」は「現実の災害発生がきっかけ」「災害に対する危機感」の2サブカテゴリー,カテゴリー「キーパーソンの出現」は「家族会の使命」「支援者の存在」の2サブカテゴリー,カテゴリー「コミュニティの重層化」は「医療的ケア児を知ってもらう」「防災に関心を向ける」「災害のイメージ化」「支援の輪を広げる」「発信し続ける」「休息しながらも継続する」「コミュニティ拡大への阻害因子」の7サブカテゴリー,カテゴリー「関心をもつ層の拡大」は「家族会の取組への信頼」「セーフティネットができる」「コーディネートする存在」の3カテゴリーが抽出できた。 考察)家族会がSCを醸成しようとするそのプロセスは,「他の地域の災害を契機に刺激・触発」され,「自分たちにも起こりうる災害への不安」と重なり,家族会などの「キーパーソンの出現」があった。そのキーパーソンが中心となって,「支援の輪」という社会的なネットワークが生まれ,「コミュニティの重層化」へとつながっていった。しかし,「災害は起こらないという正常バイアス」が働く人が多く,「防災に関心を向ける」ことや「医療的ケア児を知ってもらう」ためのワークショップやセミナーなど開催していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度に実施したインタビューの結果の分析を行い,その結果を学会で発表を行うことはできた。しかし,分析は家族会のみのデータ分析にとどまり,医療的ケア児を支援する専門職からのインタビュー結果の分析はできていない。遅れた理由としては,2023年度は,学内委員会や授業・演習等,教育エフォートに多くの時間を費やし,研究エフォートに割く時間の確保が難しかった。以上の理由から,当初予定していた研究予定を大幅に遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,医療的ケア児・家族の災害時の備え・防災に必要なSCの構成要素を明らかにするために,医療的ケア児を支援する専門職からのインタビューの分析を行うことで,SCを醸成するために必要な地域生活支援体制モデルの構築を目指す。また,明らかになったSCの構成要素と医療的ケア児家族の防災意識との関連を明確にするための量的調査を行い,災害時の備え・防災に必要なSCが医療的ケア児・家族の防災意識にどの様な影響を与えるのか明らかにする。
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Causes of Carryover |
2024年度は,医療的ケア児を支援する専門職からのインタビューの分析を行い,その結果を学会で発表する。インタビュー分析に必要なテキストマイニングや学会発表のための学会参加費や旅費に対して,交付金の使用を計画している。また,医療的ケア児家族会にアンケート調査を実施する予定であるため,研究依頼の郵送費や結果のデータ入力の外部委託料として,交付金の使用を計画している。
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Research Products
(1 results)