2021 Fiscal Year Research-status Report
気がかり妊婦に対するオープンダイアローグの効果検証
Project/Area Number |
21K10907
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
水野 智之 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (60626357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福元 進太郎 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (40893996)
小坂 浩隆 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (70401966)
折坂 誠 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (80324143)
石橋 佐枝子 敦賀市立看護大学, 看護学部, 講師 (90721663)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 気がかり妊婦 / オープンダイアローグ |
Outline of Annual Research Achievements |
実臨床面においては、産婦人科医師と月一回、当大学病院にかかりつけの気がかり妊婦についてのミーティングを行っている。それぞれの妊婦の現状や、福井県内の精神科クリニック・病院などの医療機関への受診状況(当院精神科かかりつけの場合も含めて)を確認している。 行政機関との連携を強化したいところであるが、コロナ禍中であることもあり、思うように進んでいない。ただし、行政機関との定期的勉強会(懇話会)は年3-4回のペースで産婦人科主体で行われており、参加し、必要に応じて協力している。 また、気がかり妊婦の当科への紹介が数件あったが、上記同様にコロナ禍中であることから4人以上で行うオープンダイアローグを行うことが非常に困難であり、通常の精神科治療を行っているのが現状である。 学術的側面においては、2021年11月に開催された、第34回日本総合病院精神医学会において、オープンダイアローグ、気がかり妊婦、それぞれについてのシンポジウムの座長を務め、本研究の啓発に努めた。前者では、オープンダイアローグの福井県における実践可能性について対話を行い、福井でオープンダイアローグ研究会を立ち上げることが決まり、現在その準備を行っているところである。また後者では、福井県内での気がかり妊婦の受け入れ状況について精神科クリニック・病院にとったアンケートの結果を産婦人科研究分担者が提出し、福井県における精神科と産婦人科の連携の可能性がより強固になったことを確認できた。 論文については、オープンダイアローグに関する自著の論文が2021年4月に精神科治療学に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度より、すぐに気がかり妊婦へのオープンダイアローグの比較対象試験を行う予定であったが、コロナ禍中であり、多人数が安心して参加してのオープンダイアローグ開催が困難であること、ならびにエントリー患者数が想定以下と少なかったことから、試験自体が行えていない。 学術的、もしくは一般向けの啓発活動については、想定以上のことが行えたものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
このため、まずは比較対象試験の前段階として、気がかり妊婦でオープンダイアローグ施行の同意が得られたものについて、シングルアームの追跡試験を行い、その後に比較対象試験の施行に移る方針に変更している。このため、当院倫理審査委員会提出用の研究計画書を作成し準備を進めている。認可が得られ次第、取り組みたい。 また、気がかり妊婦、オープンダイアローグの啓発活動について、今後も継続して行っていく方針である。
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Causes of Carryover |
2021年度は、コロナ禍の影響が大きく、学会がほぼすべてオンライン開催となり、県外への移動が制限された。また、診療においてもオープンダイアローグがそもそも行いにくいという状況でもあった。次年度は、学会参加による情報収集や発信を積極的に行い、オープンダイアローグの実施ならびに行政機関との連携をより進めていけるようにし、より効果的に基金を使用する予定である。
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