2021 Fiscal Year Research-status Report
小児における絵本の読み聞かせ聴取時の脳血流動態及びストレス軽減効果に関する研究
Project/Area Number |
21K10911
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森 慶子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (40837225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 健治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20274201)
高橋 久美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (40771085)
橋本 浩子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (80403682)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 絵本の読み聞かせ / ストレス軽減 / 脳血流動態 / NIRS / 心拍変動係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:子どもに対して、絵本の読み聞かせを行い、絵本の読み聞かせ聴取中の脳反応をNIRS等の脳機能イメージング法にて計測し、絵本の読み聞かせを行うことでストレスの軽減の効果があることを、明らかにするものである。脳機能計測と同時に、心拍変動係数計測にてストレス評価を行うことは、ストレス軽減の検証をより確かなものにすることである。さらに、心理的評価法としてアンケートも行い、ストレスやリラックスの指標の検討も行うことで、入院患者・不登校を主訴とする外来患者等、種々のストレスを感じていると推測される患児に対し、今後の看護において絵本の読み聞かせの活用の一方法が提案することも目的としている。 結果:乳児、幼児、小学生、中学生 (4か月~14歳)の地域の定型発達者から参加を募り、絵本の読み聞かせ聴取時のNIRSによる脳機能測定を行う(森慶子/絵本の読み聞かせ、森健治/計測・解析)、さらに同時に心拍変動係数解析装置にて交感神経―副交感神経の活動状態を同定するとともに、心理評価シートも記入しストレスの度合いやリラックスの度合いなどの指標、前頭前野のoxy-Hb濃度、LF/HF値等との関連を検討し、生理的指標によるストレス軽減効果を明らかにする予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、徳島大学において、外部協力者及び、外来患者・入院患児に対して絵本の読み聞かせ聴取時の脳機能計測を行うことができなかった。したがって、本年度は、絵本の読み聞かせの研修会に参加することで、絵本の読み聞かせの子どもにもたらす効果についての情報を収集した。その結果、絵本の読み聞かせを聴取することで、子どもの精神的安定がもたらされる可能性があることが分かった。今後、NIRS・心拍変動係数解析装置等を用いて絵本の読み聞かせ聴取時の小児のストレス軽減の効果を明らかにしていく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響をうけ、徳島大学において、学外者の入構が禁止されたため、学内における外部協力者の絵本の読み聞かせ聴取時の脳機能計測が行えなかった。また、新型コロナウイルス感染予防の観点から、病院への出入りが制限されており、入院患者・外来患者への絵本の読み聞かせを実施することができなかった。そのため、脳機能計測まで至らなかった。 現在は、絵本の読み聞かせの効果について、これまでの計測結果の分析を行うとともに、文献や講演会による最新の知見等の情報収集に努めている。これまで計測している例において心理的アンケートと脳機能測定の関係を検証した結果、絵本の読み聞かせ聴取時には、前頭前野におけるoxy-Hb濃度変化量と心理的な安定を示す尺度には負の相関があることが明らかになった。まだ症例が少ないので、さらに症例を増やして、検証を続けていく計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染状況が、収束方向に向かっていることを受け、乳児、幼児、小学生、中学生 (4か月~14歳)の地域の定型発達者から研究協力者を募り、インフォームドコンセントを行う。また、倫理審査委員会に申請し、病院の許可がおりれば、入院患者及び不登校や心身症のため外来通院中の患者(4か月~14歳)から参加者を募り、研究の趣旨を説明し、主治医・本人・家族の許可を得る。絵本の読み聞かせ聴取時のNIRSによる脳機能測定を行う。測定には、光トポグラフィーを使用。乳児、幼児、小学生、中学生(4か月~14歳)の定型発達者に絵本の読み聞かせ聴取時脳反応を計測する(40名予定)。関心領域は、DMNの構成部位である前頭前野である。同時に心拍変動係数解析装置にて交感神経―副交感神経の活動状態を同定するとともに、心理評価シートも記入しストレスの度合いやリラックスの度合いなどの指標、前頭前野のoxy-Hb濃度、LF/HF値等との関連を検討し、生理的指標によるストレス軽減効果を明らかにする。賛同を得られた患者に継続的に絵本の読み聞かせを行う。一回約10~15分間程度(絵本2~3冊)好みの絵本を選んでもらい、読み聞かせを行う。入院患者は毎週一回程度、患者の状況に合わせ行う。外来患者は、受診の頻度によるが毎回の受診の際に受診前後いずれか希望の時間に行う。さらに、入院患者、外来患者ともに好きな絵本を2冊程度選んで持って帰ってもらい、家庭もしくは病室で保護者、看護師、保育士等に任意の時間に読んでもらう。絵本の読み聞かせを聴取する前と、継続的に絵本の読み聞かせを聴取した後に、心理的尺度を用いたアンケートを実施する。乳児、幼児の場合は、養育者にアンケートやインタビューを行い、幼児の反応や生活の状態からストレスやリラックスの状態を聞き取る。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響をうけ、徳島大学の学内における外部協力者、外来患者、入院患者への絵本の読み聞かせ及び、脳機能計測ができなかったため。外部協力者に対して支払うべき謝金の支払いが生じなかったため。また、情報収集をおこなう学会がオンラインにて開催されたため、旅費がかからなかったため。次年度は、実験協力者への謝金、及び絵本の読み聞かせのために絵本を購入するために使用する計画である。また、絵本を購入した際に保管する本棚(移動式)を購入予定である。
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Research Products
(3 results)