2021 Fiscal Year Research-status Report
気管支喘息のトランジションに向けた教育支援プログラム開発と検証
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21K10914
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大坪 美由紀 佐賀大学, 医学部, 助教 (50769106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (70549071)
在津 正文 独立行政法人国立病院機構嬉野医療センター(臨床研究部), 医局, 小児科部長 (10346877)
鈴木 智恵子 佐賀大学, 医学部, 教授 (20569636)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / トランジション / ICT教育 / 教育支援プログラム / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は気管支喘息のトランジション(小児医療から成人への移行期医療)に関する実態及び教育ニーズを調査し、ICTを活用した中学・高校生対象のトランジション教育支援プログラム開発・効果の検証を目的とする。 2021年度はトランジションの実態を明らかにするために、本研究分担者が主催したアレルギー疾患出前講座参加者を対象にアンケート調査を実施した。参加者64名中44名(回収率68.8%)から回答が得られた。トランジションを経験した疾患は気管支喘息30.8%で最も多く、トランジション時期は高等学校在学時53.8%だった。医療者が望む時期は中学校卒業時34.2%で最も多かった。トランジションに関する困難感は92.3%があると回答しており、医師は疾患の理解の難しさ,メディカルスタッフは以前の主治医との関係性が強く,患者との関係を築きにくい等の困難を抱えていた。トランジションの困難感の課題も職種別に相違があるため、中学卒業後までに多職種連携したトランジション支援が必要であることが明らかとなった。さらに、トランジションには患児のみならず家族も含めた支援,診療科同士の連携,定期受診が必要な喘息患者は通院日時や時間を調整する等の検討が必要であることが明らかになった。本調査の対象者は44名と少ないため、今後さらに対象者を増やし、トランジションの課題を明確化することが必要である。 同時に、気管支喘息のトランジションを経験した15~30歳未満の患者を対象としたインタビュー調査により、教育ニーズを明らかにしたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トランジションの実態調査の対象が少ないため、対象者を九州・山口圏内のアレルギー専門医,指導医,アレルギーエデュケーターまで拡大しており、時間を要した。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、インタビュー実施予定の気管支喘息患者のリクルートに時間を要したため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
教育ニーズを明らかにする目的で、小児期に気管支喘息を罹患した気管支喘息患者対象にインタビュー調査を実施する。また、トランジションの実態に関するアンケート調査結果を、関連学会などで公表する予定である。
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Causes of Carryover |
トランジションの実態調査として、対象を拡大したアンケートを次年度に配布するために必要である。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、インタビュー実施予定の気管支喘息患者のリクルートが遅れたため、次年度にインタビュー調査予定である。
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Research Products
(1 results)