2021 Fiscal Year Research-status Report
スマートフォン依存傾向にある母の授乳時のスマートフォン使用と母子相互作用の関連
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21K10920
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
井上 千晶 島根県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (80413491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 光子 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (90249607)
橋本 由里 島根県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (00423228)
中谷 陽子 島根県立大学, 看護栄養学部, 講師 (20817530)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 母子相互作用 / スマートフォン / 授乳 / ボンディング / 視線 / 母親 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ネオデジタルネイティブ世代とも言われる25歳以下でスマートフォン依存傾向のある母親の授乳時のスマートフォン使用と母子相互作用の関連を母子の行動及び母の視線から明らかにすることが目的である。現代を生きる母にとってスマートフォンは生活の一部となっており,母が社会とつながる手段でもある。孤立しがちな生後早期の乳児の母親が社会とつながる手段としてのスマートフォン使用を両立させていくための支援方法の検討に有用なエビデンスを導くと考える。 当該年度は、研究計画書作成準備として文献検討を行った。また先行して実施した25歳以上のスマートフォン依存傾向のない母親の授乳時のスマートフォンの使用と母子相互作用の関連について論文として国際誌に発表し、本研究結果との比較を可能にした。発表内容は、授乳時のスマートフォンの使用により、母の視線は明らかに長く子からそれていたが、母子相互作用の質と関連は見られなかった。しかしスマートフォンの継続的な使用は母の感受性やニーズへの応答が低下する可能性が示唆された。一方授乳時のスマートフォンを使用することと母から子への情緒的絆の形成に問題はみられなかったことを明らかとした。これらのことをふまえ、研究倫理申請準備を進め、調査を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症への警戒が長期化しマスク着用が義務づけられる中、母の視線測定や母の表情の観察を含む授乳時の観察調査が困難であること、母子の安全環境の確保が保証できないことから一部の研究実施の延期が妥当と判断した。また新型コロナウイルス蔓延化における教育準備と対応を優先し、予定した計画実施に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
インターネットを用いたアンケートによる全国調査を実施し、対象年代(25歳以下)の母集団の現状把握を行う。 授乳時の観察調査は、安全環境の確保ができ次第実施できるように準備を進める。観察調査の対象者は3年間で20~25組を予定しているが、対象母子の安全、心情を優先とし新型コロナウイルスの感染状況など研究実施地域で求められる感染対策方針等を踏まえ柔軟に対応する。
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Causes of Carryover |
当該年度において、新型コロナウイルス感染症対策により、研究分担者との対面での会議等が制限され旅費を使用しておらず、研究実施計画に遅れが生じている。 翌年度においては、当該年度で未実施のインターネットによるアンケート調査に関する費用、観察調査における謝金や環境調整で助成金を使用する。
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