2022 Fiscal Year Research-status Report
不妊治療終結期にある女性へ「意味づけ」を支援する看護相談モデルの開発
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21K10923
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
荒井 洋子 獨協医科大学, 看護学部, 講師 (60406238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤 洋子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10269334)
北原 慈和 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (20714728)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 意味づけ / 概念分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、[意味づけ」の概念分析を行った。以下に具体的結果を示す。 1.目的:「意味づけ」という概念が現代ではどのように用いられているのかを明らかにし、リプロダクティブ・ヘルスを対象とする看護実践の基盤として、この概念を適用することの可能性を検討する。 2.方法:Rodgersの概念分析方法を用いて、社会学、心理学、看護学の領域で、どのように用いられているか検討するため、CiNii Research、医学中央雑誌Web、PubMed、CINAHLを用いて検索した。検索範囲は、2012年~2022年(過去10年間)とし、会議録、症例報告、事例は除外した。キーワードは、国内文献は「意味づけ」、海外文献は「Meaning Making」とした。最終的に、和文献22件、英文献6件 合計28件を分析対象とした。 3.結果:意味づけは、「命が脅かされる体験」「命と向き合う体験」「命の重さを思い知る体験」「心理・社会的ストレス体験」が先行要件にあり、「考え方の変容」や「肯定的な解釈」をして「新たな自己との出会い」「対処しようとする」ことで意味づけ(属性)がされ、またその結果、「肯定的変化」「自己概念の深まり」「自己成長」「新たな自己の形成」「新たな一歩を踏み出す」に至ることが分かった。 4.考察:ストレスフルな出来事に遭遇した看護の対象者において「意味づけ」につながるような支援の有用性が示唆された。今後は、意味づけを促すような看護介入におけるアウトカム指標として、「意味づけ」の概念を基に尺度開発を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
意味づけの概念分析を2022年度内に終了できた。今後、研究結果を論文投稿予定である。しかし、本来、意味づけの概念分析は、2021年度内の予定であった。そのため、やや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を変更したい。 当初、看護相談モデルを作成し、不妊治療終結期の女性への介入研究を予定していた。しかし、不妊治療終結期にある女性の不妊体験について文献レビューをした結果、妊孕性への自信喪失や身体的・精神的限界を認識しており、治療を何年も前に終えているにも関わらず、具体的でリアルな気持ちが鮮明に語られていた。さらに、終結に至る決断(意思決定)が容易ではないことが分かった。よって、この時期への介入は、更なる心理的負担となると考えられる。また、介入によって不妊体験を想起したことによる心理的負担に対し、フォロー体制が難しいことが倫理的に懸念される。 よって今後は、普段、不妊治療の臨床現場において、心理的サポートをした際の評価指標としての「意味づけ」の尺度開発に関する研究に向けて計画を修正したい。
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Causes of Carryover |
現在、研究がやや遅れていることによって、研究発表や論文投稿が次年度に控えていることなどによるため。
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