2021 Fiscal Year Research-status Report
子ども虐待予防に携わる看護師のコンピテンシーに着目した現任教育モデルの開発
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21K10935
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
橋本 浩子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (80403682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 久美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (40771085)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 子ども虐待予防 / 看護師 / コンピテンシー / 現任教育 / 医療機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療機関で子ども虐待予防に携わる看護師としての必要な実践能力(コンピテンシー)の要素を明らかにし、それを基盤とした現任教育モデルを開発することを目的としている。 研究初年度である令和3年度は、子ども虐待予防に携わる看護師のコンピテンシーを明らかにするために文献検討を行った。医学中央雑誌(Web版)で、「児童虐待」、「看護職」、「コンピテンシー」をキーワードに検索を行った結果、先行研究は極めて少なかった。そこで、看護師がどのような実践をしているのか、その内容と課題を明らかにすることとし、「児童虐待」、「看護職」をキーワードとして文献を検索した。その中から病院に勤務し子どもとかかわる看護師の虐待予防に向けた実践の内容、その認識に関する記述がある文献に絞り検討を行った。分析は、調査対象となった看護師の所属部署、看護師が行っている実践の内容、虐待予防に関する自己の知識や技術に対する認識、虐待予防に向けた支援を行ううえでの困難に着目して行った。その結果、病院で子どもとかかわる看護師の虐待予防に向けた実践内容は多様であり、看護師は虐待予防に関する幅広い確かな知識、技術が必要とされていた。しかし、その一方で看護師は、自己の知識や技術等に関する課題や支援を行ううえでの困難に直面していた。これらの結果をもとに、子ども虐待予防に携わる看護師のより詳細な実践内容および具体的行動や判断、思考を明らかにするためのインタビューガイドを作成した。インタビューの実施方法については、COVID-19の感染状況を考慮しながら実現可能な方法を検討している。今後は、研究計画書を完成させ、研究代表者が所属する機関の倫理審査委員会に申請する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定では、文献検討を行い、インタビューガイド及び研究計画書を作成し、所属機関の倫理審査委員会に申請を行う計画であった。しかし、文献検討およびインタビューガイドの作成に時間を要したこと、インタビューの方法をCOVID-19の感染状況を鑑みながら検討していたことから、倫理審査委員会への申請が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
文献検討の結果を学会で発表するとともに、研究計画書を所属機関の倫理審査委員会へ申請する。承認を得た後、子ども虐待予防に携わっている看護師へのインタビュー調査に向けて、医療機関へ研究協力依頼を行う。依頼を行うに際しては、感染防止対策を講じながら安全にインタビューが実施できる方法を研究分担者とともに検討し、協力が得られるように努める。調査への承諾が得られたら、順次、インタビューを行う。データは質的記述的に分析して、それらの結果と文献検討の結果を統合し研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
(理由)COVID-19のため、予定していた学術集会への参加がすべてオンラインとなり、旅費の使用がなかったため次年度使用額が生じた。 (使用計画)次年度は、医療機関へ研究協力依頼を行いインタビュー調査を実施する予定であり、ICレコーダー、感染防止対策用の消耗品等が必要となることが予想されるため、次年度研究費(物品費)と合わせて使用する計画である。
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