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2022 Fiscal Year Research-status Report

ビッグデータを活用した高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業の評価

Research Project

Project/Area Number 21K10994
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

小林 和成  岐阜大学, 医学部, 准教授 (70341815)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 纐纈 朋弥  岐阜大学, 医学部, 教授 (40457114)
西田 友子  岐阜大学, 医学部, 准教授 (70621762)
田中 健太郎  岐阜大学, 医学部, 助教 (50755832)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords後期高齢者 / 国保データベース(KDB) / ニューラルネットワーク / フレイル / 介護予防 / 一体的実施事業 / 保健事業 / 事業評価
Outline of Annual Research Achievements

後期高齢者の医療費、及び介護情報データに影響する要因について、岐阜県の国保データベース(KDB)システムに収録されている令和3年度の被保険者336,812人、後期高齢者健診受診者70,648人分のデータの解析を行った。
入院、外来、歯科、調剤の医療費データを従属変数、高血圧症以下の疾患を因子とした性別、及び健診受診状況別のニューラルネットワークによる重要度分析を試みた。その結果、男性の健診受診者では「がん」が最も重要度が高く、以下「糖尿病性腎症以外の腎疾患」「糖尿病性腎症」「うつ」「認知症」の順であった。健診未受診者では「人工透析」が最も重要度が高く、以下「慢性腎不全」「肺炎」「がん」「筋骨格系疾患等」の順であった。
女性では、健診受診者は「がん」が最も重要度が高く、以下「認知症」「糖尿病性腎症以外の腎疾患」「その他機能低下の関連疾患」「筋骨格系疾患等」の順であった。健診未受診者では「人工透析」が最も重要度が高く、以下「慢性腎不全」「がん」「肺炎」「その他機能低下の関連疾患」の順であった。
次に、要介護度、サービス利用(居宅・施設)、介護給付費データを従属変数、高血圧症以下の疾患を因子とした性別、及び健診受診状況別のニューラルネットワークによる重要度分析を試みた。その結果、男性の健診受診者では「認知症」が最も重要度が高く、以下「統合失調症」「糖尿病性腎症」「筋骨格系疾患等」「人工透析」の順であった。健診未受診者では「がん」が最も重要度が高く、以下「筋骨格系疾患等」「統合失調症」「慢性腎不全」「認知症」「脂質異常症」の順であった。
女性では、健診受診者は「認知症」が最も重要度が高く、以下「筋骨格系疾患等」「統合失調症」「うつ」「脂肪肝」の順であった。健診未受診者では「筋骨格系疾患等」が最も重要度が高く、以下「認知症」「統合失調症」「脂質異常症」「高血圧症」の順であった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

国保データベース(KDB)システム内に、年度毎の健康診査を通して、後期高齢者の身体組成、血液データ、問診項目等が蓄積され、また受診の有無に限らずレセプト、入院医療費、外来医療費、歯科医療費、調剤費等のデータは支障なく集約されている。直近の令和3年度においては、要介護度、サービス利用(居宅・施設)、介護給付費データも収集され、使用することができた。
しかしながら、低栄養予防等の「保健事業」と「介護予防」の一体的な実施に基づく保健事業を展開する保険者である市町村数は充分とは言えず、また国保データベース(KDB)システム内へのデータ集約も中途の段階であり、解析には今しばらく時間を要する。
また、研究協力者である岐阜県国民健康保険団体連合会や岐阜県後期高齢者医療広域連合等とは、前年度同様に調整を図りながら進めているものの、研究責任者が傷病により打ち合わせや会議等を行うことが出来ない期間があった。
今後は、早急に岐阜県国民健康保険団体連合会や岐阜県後期高齢者医療広域連合、既に事業に取り組んでいる市町村と連携し、高齢者に対する個別的支援(ハイリスクアプローチ)のみならず、通いの場等への積極的な関与(ポピュレーションアプローチ)にかかる各種データの収集、解析を行えるよう努める必要がある。
以上の理由から、本研究課題の進捗状況について「やや遅れている」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

岐阜県内の42市町村の個別、及び県全体での保健事業と医療・介護情報に加え、「保健事業」と「介護予防」の一体的な実施に基づく事業の情報にかかるデータも紐づけした統計学的なアプローチに留まらず、機械学習や人工知能等を用いた解析を行う予定である。
既に、国保データベース(KDB)システム内に集約されている高齢者に対する個別的支援(ハイリスクアプローチ)、及び通いの場等への積極的な関与(ポピュレーションアプローチ)にかかる各種データを使用し、解析の方向性の検討を行っていく。具体的には、ハイリスク・アプローチの効果は低栄養・口腔・服薬・生活習慣病重症化予防等への影響要因、他方、ポピュレーション・アプローチとしては、通いの場における健康教育・健康相談、通いの場において、後期高齢者の質問票等を用いてフレイル状態にある高齢者を把握し、低栄養や筋力低下等の状態に応じた保健指導や支援の効果を検討していく。
保険者である市町村に対しては、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業に着手する実数が増えるよう、岐阜県国民健康保険団体連合会や岐阜県後期高齢者医療広域連合等と連携し、前年度までと同様な説明会や研修会等を行っていく。

Causes of Carryover

当該年度は、研究責任者が傷病を負ったため、充分な調査活動や成果報告活動を行うことが出来なかった。
次年度は、高齢者に対する個別的支援(ハイリスクアプローチ)、及び通いの場等への積極的な関与(ポピュレーションアプローチ)事業にかかる各種データを集約する積極的な活動を行う。
また、紙ベースデータを電子データ化したり、電子データ同士を紐づけする等のデータの加工・管理作業、それらのデータを解析するソフトウェアに伴う費用が必要である
さらに、研究成果を国内外の学術誌へ投稿したり、学術集会等で発表する機会のために、費用を使用することを計画している。

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Published: 2023-12-25  

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