2021 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院の病棟看護師による在宅訪問の教育システムの開発と検証
Project/Area Number |
21K11000
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
北林 正子 富山県立大学, 看護学部, 助教 (60846137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 由美子 富山県立大学, 看護学部, 准教授 (90566861)
山崎 智可 富山県立大学, 看護学部, 講師 (80601666)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 急性期病院 / 病棟看護師 / 在宅訪問 / 教育システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、急性期病院の病棟看護師による在宅訪問を充実させ推進するための教育システムの構築とその有用性を検証することである。 在宅訪問の教育システムを構築し、それを活用した急性期病院の病院看護師が地域に出向き活躍することで、医療依存の高い患者に対して切れ目のない円滑な支援とその質の向上を図り、地域ケアスタッフとの連携強化を推進することが期待される。 今年度は自身の先行研究の結果をさらに精錬し、まずは訪問看護師の視点からみた急性期病院の病棟看護師が行っている在宅訪問の課題を抽出した。その結果、1.利用者・家族との関係性からは①在宅訪問は利用者・家族に安心感を与え緊張をとく機会となる②病院看護師自身の在宅療養をイメージできる退院支援能力の向上となる③在宅移行支援の糧に繋がっている④利用者・家族の困惑がある⑤病院看護師の訪問の未熟さがあるなどが明確となった。2.在宅訪問時の訪問看護師との関係性からは、①訪問看護師に不安や負担を与えている②在宅訪問の目的やその評価が病院看護師から訪問看護師に伝えられていない③療養者に対し切れ目のない継続看護の実践が可能となる④訪問看護師自身も安心感を得られる⑤専門知識を持った病院看護師からの知識や技術を学ぶこともできる⑥連携強化に繋がることが明確となった。 在宅訪問を実践している病院看護師の視点からの課題は、現在分析中である。病院看護師も不安を抱えながら在宅訪問を実践しているが、患者の退院後の充実した療養生活や家族関係の把握ができ、また地域ケアスタッフからの学びを得る場ともなり、次の退院支援に繋がっていることがわかった。今後はさらに分析を重ね、連携強化ができる内容や訪問の方法などの教育プログラム構成要素を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
感染状況に応じて度重なる授業方法の変更や、実習先の変更及び学内実習への切り替えなど、教育活動に多くの時間を割くこととなり、計画通りに研究活動の時間を確保することが困難であった。そのため、自身の先行研究の分析を進めていたが、十分に精錬することができず、教育プログラムの立案にまで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらに先行研究の分析を進め、病院看護師からの視点での在宅訪問の課題を抽出する。訪問看護師の視点での課題と合わせ、何を教育プログラムの中に入れていくか、退院支援の教育に関する文献からも拾い上げ、話し合いを重ね検討していく。また、地域のケアスタッフにも協力を得て、プログラムを構築していく。
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Causes of Carryover |
R3年度に計画していた、地域ケアスタッフとの協働による教育内容・方法の検討ができておらずそのための費用や謝金が発生していない。また、学会参加のため旅費を計上していたが、オンライン開催となった。そのためこれらの費用が次年度の使用額となった。
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