2021 Fiscal Year Research-status Report
長期療養高齢者に特有の苦痛を緩和するための看護実践に関する研究
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21K11006
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
井上 かおり 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (70771070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 祥子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90290494)
實金 栄 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50468295)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 長期療養高齢者 / 苦痛 / 緩和ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、長期療養高齢者に特有の苦痛および苦痛を緩和するための看護実践を明らかにし、長期療養高齢者のための緩和ケア指針を開発することである。 今年度は、①「長期療養高齢者の苦痛」の概念分析、②長期療養高齢者の苦痛を看護師の認識から明らかにする研究、③長期療養高齢者の苦痛を緩和するための看護実践の抽出を行った。①「長期療養高齢者の苦痛」の概念分析として、Walker and Avantの手法を用い、「長期療養高齢者の苦痛」の先行要件、定義属性、帰結を明らかにすることを目的に実施した。分析には、医学中央雑誌WEB版、PUBMED、CINAHL等により選定した32文献を用いた。結果、定義属性として6つのカテゴリー、先行要件として3つのカテゴリー、帰結として3つのカテゴリー明らかとなり、先行研究との比較から、「長期療養高齢者の苦痛」は、表面化しにくいために医療者に過小評価されやすく、医療者の不適切なケアの影響を受けることが特徴であると考えられた。現在、論文投稿に向けて準備中である。②長期療養高齢者の苦痛を看護師の認識から明らかにする研究として、A県内の医療療養病床に勤務する看護師16名を対象に、半構造化面接を実施した。結果、5つのカテゴリーが明らかとなり、長期療養高齢者は、病気の進行や加齢に伴う機能低下により生じる苦痛のみならず、看護師の不適切な対応によって生じる苦痛をもつと考えられた。これも現在論文投稿に向けて準備中である。③長期療養高齢者の苦痛を緩和するための看護実践は、オーストラリアの高齢者ケア施設における緩和ケアのガイドラインを中心に9文献より抽出を行った。抽出した実践について、内容的妥当性の検討を行い48項目の緩和ケア指針原案を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分担者と協議しながら計画通りに実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、緩和ケア指針開発を目的とした調査研究を行う予定である。引き続き分担者との定期的なミーティングを開催し、計画的に研究を進める。
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Causes of Carryover |
今年度予算として旅費を計上していたが、コロナ禍により使用の必要がなくなった。研究は計画通り進んでいる。 次年度は、緩和ケア指針開発のための全国調査を行うため、予算の多くを調査実施に使用する予定である。
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