2021 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of intervention effect on frailty and impact on renal replacement therapy in elderly patients with renal failure
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21K11014
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Research Institution | Kinjo University |
Principal Investigator |
磯 光江 金城大学, 看護学部, 講師 (50783619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 和代 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (40157855)
横田 文子 金城大学, 医療健康学部, 助手 (50818218)
吉武 将司 金城大学, 医療健康学部, 助教 (60761319)
中道 淳子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (70324085)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血液透析療法 / 高齢透析患者 / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢透析患者の透析開始時の意思決定の様相を報告した文献はほとんど見当たらない。そこで今回、血液透析(以下透析)を導入した高齢患者にインタビュー調査を実施した。対象者は、75歳以上で透析を導入した高齢患者7名(男性6名、女性1名)である。インタビュー内容は、①腎代替療法の説明内容、②誰と相談して決心したのか、③透析導入前と導入後の体調、④現在透析をどのように感じているのか、⑤今後、大きな病気で透析治療が困難となったとき、透析の継続をどのように考えているのかなどについて、半構成的なインタビューを実施した。 分析テーマを「後期高齢者の血液透析を受容していく過程」として修正版グランデッドセオリーアプローチで分析を行った。高齢透析患者は、いずれ【透析となる予告】を受け、腎代替療法の選択肢についての説明はほとんどなく、【当然のような流れ】で透析導入が進められていた。その流れに対して【長く生きてきた結果】として受け止めたり、【限界まで我慢をする】ことで【導入への抵抗】を意思表示する者もいた。そして過去の自分の不摂生な生活に【後悔】しながらも、【配偶者からの後押し】もあって【生きるための覚悟】をもって導入に踏み切っていた。透析導入後は、高齢のため【老化の自覚】をしながらも、このままの状態が続き、楽に死ねたらいいという【楽観的な最期】の思いで透析生活を送っていた。 今回の調査結果から、高齢透析患者の透析導入および将来に向けての意思決定支援はほとんど行われていないことがわかってきた。高齢者の場合、導入後の予後を踏まえた情報提供が必要であるため、腎代替療法選択の指標としてフレイルの評価も視野に入れ、次の研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、2段階構成による調査であり、第1段階の調査は、フレイルと判断された高齢末期腎不全患者にフレイル改善への介入調査を実施する予定であったが、COVID-19感染拡大の影響で病院への入室が厳しくなり、調査の実施が困難となったため、今回は第2段階で実施する予定であったインタビューによる質的研究を一部計画を変更して実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、フレイルと判断された高齢の慢性腎不全患者を対象に、フレイル改善のための介入プログラムを実施するが、対象者が少ない場合は、透析を導入して1年程度の高齢患者を対象として介入を実施する。また、今後も臨床現場に出入りすることが困難になることが予測されるため、個別の介入プログラムからある程度同じ内容のプラグラムを実施し、1か月後、3か月後、6か月後の身体内部の変化をInBodyと本人の主観による満足度を評価する。そして、改善の程度から介入の効果を判定し、高齢者においても介入によってフレイルが改善できることと、反対に改善されなかった場合の原因について分析し、フレイル改善の妨げになる要因について検討する。 介入によって改善が期待できるフレイルであれば、透析導入後の予後に見込みがある判断ができるが、改善が見込めないと判断されると予後への期待も厳しいことが考えられるため、フレイルの判断は腎代替療法選択時の指標の一つとなり得ると考える。できれば、20例以上の対象者を確保できるように複数の施設に依頼を行っていく。
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Causes of Carryover |
2022年度に分析ソフトSPSSとパソコンを購入するため199,120円を繰り越した。
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