2023 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護を利用する在留外国人におけるACPプロセスの実践的モデル構築
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21K11016
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
山本 純子 大手前大学, 国際看護学部, 教授 (50413422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷良 淳子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40295762)
川上 友美 藤田医科大学, 保健衛生学部, 講師 (60553097)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ACP / 訪問看護師 / インタビュー / 在留外国人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は訪問看護を利用する在留外国人のACP(アドバンスドケアプランニング)プロセスに焦点を当てた実践的モデル構築を目的している。 2023年度は2022年の調査で回答を得た調査のデータの分析を行い、明らかにされた課題と在留外国人をケアした訪問看護師がACPの実践の中でうまくいったこと、そして困難さがあったことについてインタビューを分析し、研究者で精選し、実践的モデル構築の作成に向けて着手の予定であった。しかし、調査の対象者である訪問看護師はコロナ禍の影響を受け、多忙と規制の中、調査票の回収が難しく、最終的に40人のデータで分析した。そのため、訪問看護師が療養者に対し、ACPの説明をする際の困難さを因子分析、その関連性、要因分析を行い、国内外の学会の発表を行った。しかし、対象者のデータが十分でないことから論文投稿までは至らなかった。また、インタビューでは訪問看護を受けている在留外国人が圧倒的に少なく、協力者の確保が難しく、そのため知り合いからの紹介を受け、5人の訪問看護師よりインタビューを行うことができた。したがって対象者不足のため、実践的モデル構築の作成まで至らなかった。訪問看護師がケアした在留外国人は中国2人、フィリッピン、ベトナム、インドで訪問看護師の思いを聞くことができた。現在はその5人のデータを逐語録にて抽出中である。 海外のACPに関する聞き取りではアメリカで地域活動やNPで活動している看護師とソーシャルワーカーに聞き取りを行った。その結果、アメリカに住むアジア(日本人)はすでにACPに法制度が確立されている制度で生活をしているため、エンドオフライフの過ごし方、病気に関する選択などの権利を認識し、その土地に融合しているため、ルーツは日本でも考え方の相違がみられたがモデル構築をするうえで参考にしようと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の進捗状況では2023年度の調査でデータ分析と在留外国人のACPを体験した訪問看護師へのインタビューの準備を進めているところである。具体的には回答を得た調査の基本属性、管理体制、ケア内容、ACPに関する回答、尺度などの解析を進め、データ分析中である。さらに現在、在留外国人を体験したインタビューに同意した訪問看護師10名程度を目指し手依頼し、進めているところである。今後もACPに至る経過とそのケアについて具体的に聞き取り、データを分析する予定である。これは、訪問看護を利用する在留外国人におけるACPプロセスの実践的モデル構築の重要なデータであると同時にACPのタイミングやケア方法を分析して適切なケアへ導く方策の基盤作成に向けた作業を行い、混合研究としてまとめる。また、在留外国人のACPに関するモデル構築に繋げるための方法を構想中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、昨年に実施した調査で回答を得た分析を行い、明らかにされた課題と在留外国人における訪問看護のACPのうまくいった事例と困難であった要因を抽出し、具体的に在宅で実践されているプロセスを絞り込む。これらのデータ分析からACPプロセスモデルの作成(案)を考える。そのためには、さらなる10人程度のインタビューが必要であり、対象者の選択とインタビューの継続を行う。これより丁寧に分析し、量的データの課題要因と照らし合わせて内容を吟味し収斂して実践的モデル構築の作成に着手する。その結果の一部を国内外の関連学会に発表すると同時に英文の論文投稿も考えている。
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Causes of Carryover |
在留外国人に関するACPの動向を把握するため、アメリカに住んでいる日本人のインタビューとICN(国際看護協会)の学会発表を行った。しかし、今年度はさらにACPのモデル構築に着手するための分析ソフト(質的分析のため)の購入と逐語録への返還のための業者への依頼を行う予定である。これにより、より深く情報収集や研究の新規性、有用性に寄与できる可能性が高くなると考えている。また、分析したデータから国際学会への英文投稿、国際学会への参加により他の国の情報収集の場を持ち、より具現化した内容を模索し、実践が可能になるACPプロセスモデルを構築の検討を行う。以上の理由により使用額が生じた。
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