2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K11021
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
服部 由佳 三重大学, 医学系研究科, 助教 (30705405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯和 勅子 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30336713)
平松 万由子 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (50402681)
北川 亜希子 三重大学, 医学系研究科, 助教 (20422876)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 災害準備力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、自然災害時の認知症高齢者の被害軽減のために家族が行う準備として必要な項目を明らかにし、認知症高齢者の災害準備力を測ることのできる尺度を開発することである。それにより準備力を定量化し、認知症高齢者の準備力の実態を明らかにする。 今年度は、尺度原案の作成に先立って、高齢者の災害準備についてPUBMED、CINAHL、医学中央雑誌を用いて文献検討を行った。また、防災に関する世論調査、Alzheimer’s Disease Education and Referral CenterやNational Institute on Agingからの防災情報も加え検討した。これまでの文献検討の結果から、高齢者の災害準備は、避難行動のための準備、家屋の準備、補助具や医療情報などの非常持ち出し品や必需品の準備、コミュニティから支援を得るための準備が必要であり、高齢者の準備不足に関連する特性には、女性、より高齢であること、一人暮らし、IADLの低下、認知障害、コミュニティ支援やソーシャルサポートの不足があることが整理できた。 認知症高齢者の災害被害を軽減するには、認知症高齢者と家族を組織的に支援する体制、支援計画を準備する必要があると考えられる。今後、災害の専門家や認知症高齢者看護に精通した者から助言を受け、認知症高齢者の災害準備力の構成概念を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
認知症高齢者の災害準備力について、構成概念の意味内容、定義を明確にする予定であったが文献収集・文献検討に時間を要した。また、2021年度に尺度原案を作成する予定であったが、災害の専門家や認知症高齢者看護に精通した者から助言を受ける必要があると判断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で得た知見に加え、認知症の人の災害計画が示されている“Disaster Planning Toolkit for People Living with Dementia”や既存の質問紙の項目を参考にしながら尺度原案の作成を目指す。
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Causes of Carryover |
尺度開発の第1段階としての文献検討に時間を要し、災害対策、認知症看護に関する図書の購入費、国内外の学術論文の複写費用として計上した消耗費に余剰が生じた。次年度も文献検討を継続して行うためにその費用を使用する。また、COVID -19の感染拡大状況を鑑みながら、研究成果発表のために国内外の学会に参加する予定であり、その参加費や旅費、国際学術雑誌に投稿するための英文校閲費用として使用する。
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