2021 Fiscal Year Research-status Report
支援を求めない高齢者および家族介護者の潜在的ニーズの追究と支援モデルの構築
Project/Area Number |
21K11025
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
桂 晶子 宮城大学, 看護学群, 准教授 (00272063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出貝 裕子 宮城大学, 看護学群, 准教授 (40315552)
萩原 潤 宮城大学, 看護学群, 准教授 (90347203)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 在宅介護 / 家族介護者 / 高齢者 / サービス未利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
独居や高齢者のみの世帯、低所得高齢者等が増加するなか、介護サービスを利用しない人、家族のみによる献身的介護の末に殺人に至る事例などが報告される。介護保険制度が浸透する一方で、必要であるにも関わらず支援を求めない高齢者(介護サービス未利用者、要介護認定の未申請者等)や家族介護者は依然として存在し、これらの人が高い支援ニーズや高齢者虐待のリスクを抱えている可能性がある。 本研究は、支援を外に求めない高齢者、家族介護者の実態と潜在的ニーズを明らかにし、早期把握と支援のためのモデルを構築することを目的とする。 令和3年度は文献検討を主に行った。また高齢者虐待およびセルフネグレクトの要因分析、「介護・看病疲れ」が動機による殺人(以下、介護殺人)の発生動向分析、A県内で一昨年に発生した2事例の介護殺人の背景分析および本事例に対する専門職との意見交換を行った。さらに、次年度以降の住民等を対象とする実態調査の実施にむけて調査内容やフィールドの検討を行った。 文献検討では、要支援・要介護認定者における介護サービス未利用者の特徴を明らかにした。一方、要介護認定未申請者等で必要にも関わらずサービスや支援を求めない高齢者の特徴として、サービス利用に対する本人あるいは家族の否定的認識、閉鎖的価値観、介護保険制度の理解不足、社会からの孤立、介護者の責任感の高さや介護の抱え込みなど指摘する文献もあるが十分な実態把握には至っておらず知見蓄積の必要性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定で令和3年度は、文献検討、専門職との意見交換を行い、11月以降に住民を対象とした質問紙調査を実施する計画であったが、フィールド調整に時間を要し実施には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、住民および地域包括支援センター職員を対象とした質問紙調査を実施する。
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Causes of Carryover |
オンラインによる打合せなどにより旅費の支出が抑えられた。また、実施予定であった質問紙調査の実施に至らなかったため調査に係る旅費・謝金等の支出がなされなかったこと等により次年度使用額が生じた。次年度は調査に係る支出を踏まえ計画的に予算を執行する。
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