2021 Fiscal Year Research-status Report
認知症の人と家族の家族の伴走を支援する家族看護援助モデルの開発
Project/Area Number |
21K11031
|
Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
田井 雅子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (50381413)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 弘美 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (40314926)
藤代 知美 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (60282464)
中平 洋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (70270056)
畦地 博子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80264985)
瀧 めぐみ 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80806026) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 認知症をもつ人 / 家族の伴走 / 家族看護 / 看護援助モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、認知症の人と家族の家族の伴走を支援する家族看護援助モデルを開発することである。本年度は、認知症の人の家族の体験、伴走・伴走型支援の概念について文献検討を行った。まず認知症の人の家族の体験に関する文献を体験記を含めて検討した結果、家族の心理的状態として、「対立を招いた責任が自身にあると感じる」「対応を悔いる」「自身を責める」など『否定的感情を抱きやすい』ことが、中でも初期から中期に現れやすいこと、「これまで培ってきた関係が絶たれ、新たな役割関係を築いていかなければならない」ことから『家族の関係性の変化に戸惑う』、『社会的な孤立感を抱く』ことが明らかになった。家族は認知症の人への対応として、「善意が当事者の生活を制限し、当事者のできることまで奪う」という『自律の妨げ』を経験しながらも、「感情をコントロールしながら対処する」「これまでのものの見方や考え方を変える」「症状の進行と共に認知症の人の立場に目を向ける」ことで、『受け入れる』『緊張の少ない生活へ導く』へと変化していた。 次に伴走の概念を検討するために伴走と伴走型支援に関する文献検討を行った。身体障害、精神障害、慢性疾患、難病などをもつ人に対して、伴走者である家族や専門職者は「伴走者としての義務や責任」「対象者の人生への理解」を基に、「並列の関係」「共に生きる覚悟」「人生に伴走」といった『伴走者としての姿勢』をもち、病者らの孤立の解消と生きる力を高めるために人・地域・コミュニティへのつなぎ戻し、つながり続けることで『つながりをうむ』支援を行っていることが明らかになった。これらの結果を基に令和4年度は面接調査にて認知症の人の家族の伴走、家族の伴走を支援する看護の実践内容を明らかにすることに取り組む。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は家族への面接調査、データ分析を計画していたが、文献検討とそのまとめに時間を要し、面接調査の実施に至らず計画が遅延した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究分担者の異動により研究者が1名減少となったため、役割分担を見直し、研究分担者との対面の会議が困難な場合、Web会議の実施で連携を密にし、データ収集と分析を進める。
|
Causes of Carryover |
面接調査の実施に至らず調査にかかる旅費、謝金の発生がなかったこと、新型コロナ感染対策により県外移動を伴う対面の会議開催が行えず旅費が発生しなかった。今年度は面接調査のための旅費、通信費、協力者への謝金、データ整理や資料収集でのアルバイトの雇用として使用する。
|