地域ケア会議における閉じこもり高齢者の介護予防事業参加支援プログラムの開発

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K11032
• Research Institution: Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing
• Principal Investigator: 大倉 美鶴 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (70364172)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 馬場 みちえ 福岡大学, 医学部, 准教授 (60320248)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 高齢者 / 閉じこもり / 一般介護予防事業

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、地域ケア会議における閉じこもり高齢者への一般介護予防事業参加プログラムの作成とその評価を行うことを目的とし、3年で完結させることを目指している。
令和4年度の取り組み課題は、コロナウイルスの感染拡大に伴い延長した令和3年度の課題「一般介護予防事業に参加しなくなった閉じこもり高齢者の実態を把握する」を実施することであった。そのため一般介護予防事業に参加しなくなり、閉じこもりの状態にある高齢者へのインタビューに向けて準備を進めた。
インタビューの対象となる閉じこもり高齢者の選定は、普段から地域住民と接触している保健師より、選定条件（一般介護予防事業を途中から参加しなくなった人、外出や人との交流が少ない人、会話ができる人）に合う3人を紹介してもらい、自治体、本人の内諾を得て決定した。研究への参加については、対人関係において対象者の緊張が強く、すぐにインタビューすることが難しいと判断した為、対象者との信頼関係の構築に向けて、まずは保健師の家庭訪問に研究者がボランティア員として同行し、血圧測定などの健康チェックや困りごとの相談支援などを3カ月間行った。初回訪問時は対象者の緊張が強く、短時間の会話も出来なかったが、訪問の回数が増えるごとに長時間の会話が可能となり、対象者3人から研究の参加とインタビューの内諾を得ることができた。
同行訪問時の聞き取り内容から、事業に参加しなくなった理由として、参加中に精神的ダメージを受けたことが予測された。インタビューについては、これらの精神的ダメージの発生状況（場面、会話、態度、対応など）やその時の心理状態、生活状況、などを細かく聞いていく必要があると考え、インタビューガイドを作成した。現在、インタビューの実施に向けて準備を進めている。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

コロナウイルスの感染拡大にともない令和3年度の研究計画を令和4年度に延期したが、令和4年度も直ぐに研究が開始できず、状況を見ながら進めているため、インタビューや地域ケ会議の実施が予定より遅れている。令和5年度にインタビューと地域ケア会議の実施を行えるよう準備していく。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、インタビューを実施し、その内容を整理することで閉じこもりとなった理由、一般介護予防事業における課題を明らかにしていく。加えて事業参加を促進する支援の方策を考える。具体的な方策がまとまったら地域ケア会議に向けての準備をする。

Causes of Carryover

令和4年度は、令和3年度の予算を繰り越し金と合わせて使用する予定であったが、コロナウイルス感染状況が不安定なことから、研究活動が殆どできず、未使用額が多く残った。令和5年度の研究活動は可能であると判断し、令和4年度の未使用額を令和5年度に繰り越すことにした。