2021 Fiscal Year Research-status Report
軽度認知症高齢者の独居生活を支援する感性AIロボットの実践的検証と実用化に向けて
Project/Area Number |
21K11044
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
木村 裕美 福岡大学, 医学部, 教授 (00301359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
古賀 佳代子 福岡大学, 医学部, 講師 (20598966)
西尾 美登里 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (20761472)
久木原 博子 福岡大学, 医学部, 教授 (50268950)
岩村 誠人 福岡大学, 工学部, 教授 (90341411)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 軽度認知症高齢者 / 独居生活 / 感性AIロボット / 認知症独居者のニーズ / ケア介入 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
独居高齢者は社会的孤立になりがちでうつ状態やMCIの疑いが少なくない.介護保険による高齢者施設やグループホームは存在するが,軽度の場合入所が困難であり自宅での生活を望む者が多いことが現実である.軽度認知症独居高齢者が地域で生活し続けるための支援が課題であり,国内外で多くの研究が積み重ねられ,認知症を悪化さず,セルフケア能力を維持し自宅で生活する支援について地域包括支援センターを中心としてケアマネージャー,訪問看護師等の支援についての報告が散見される.中でも,独居阻害要因として,【うつ状態の悪化】【とじこもり】【生活機能の低下】が背景と指摘され,①うつ状態・とじこもりの早期発見予防②認知症の早期発見早期対応③生活機能の低下の予防④緊急時の連絡システムの整備が重要と支持されている.我々はポジティブ感情とうつ状態は負の相関を示すという研究結果から,うつ状態や認知機能低下を予防するポジティブ感情を刺激し,独居生活を長期に送れるよう介護負担を最小限にとどめる方法に着目した.本研究は,地域で生活する軽度認知症独居高齢者の生活継続を阻害する要因を検討し,セルフケアから生きがいに至るまでを感性AIロボットの活用により効果検証と実用化を目指す. 目的1は,独居継続を阻害する地域医療にかかわるスタッフから要因をインタビュー調査により分析する.その結果AIロボットにより阻害因子に関する支援プログラムを試作する.①対象群はAIロボットによる介入実施②コントロール群は介入を実施しない.目的2は,介入効果を検証し軽度認知症独居高齢者生活支援のAIロボットによる有効性を実証する。効果検証にはベースラインと介入後に心理・身体的変化を(インタビュー)調査にて比較する。目的3では軽度認知症独居高齢者の個別特性に合わせた支援プログラムをカスタマイズし再検証したうえで,実用化を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域で生活する軽度認知症高齢者の独居の継続を阻害する要因を検討し,セルフケアから生きがいに至るまでのケアを感性AIロボットの活用でその支援とQOLの向上効果を調査することである.検証のために認知機能,IADL,日常生活自立度,抑うつ状態,QOL,気分や感情の測定,生理学的・客観的指標(唾液中酵素分析,自立神経)の関連から明らかにすること,また,感性AIロボットによる支援の効果が精神的状態や日常生活にどのように影響するのかをインタビュー等で実証的に検証すること,そして感性AIロボットによる効果的個別的な軽度認知症高齢者独居支援プログラムの開発と実用性の検証を本研究の目的である. 令和3年度 研究Ⅰ:独居継続を阻害する要因について地域医療に携わる医療職者(医師・訪問看護師)介護福祉職(ケアマネージャー・介護、社会福祉士)に対してインタビュー調査を実施し結果分析により阻害因子除去のための方策を分析検討し,感性AIロボットにより阻害因子に対する支援プログラムを試作する予定であった。 インタビュー調査を実施し、結果を分析し阻害因子について検討を行っているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に引き続き、認知症独居継続を阻害する要因の検討を重ねる。次に感性AIロボットにより阻害因子に対する支援プログラムを試作を進める. 令和4年度 研究Ⅱ:軽度認知症独居高齢者の日常生活をセルフケアから生きがいに至るまでコミュニケーションを用いて比較検証する.①対象群は感性AIロボット介入実施②コントロール群は介入を実施しない.対象者は無作為化比較試験(RCT)とする予定で研究を進める. 研究プロトコールでは令和4年度、令和5年度に、・比較検証のために①対象群は感性AIロボット介入実施,②コントロール群は介入を実施しない.対象者は無作為化比較試験(RCT)とする. ・軽度認知症独居高齢者の生活支援をAIロボットにて介入効果を検証する。効果検証には,2群のベースラインと8週間の介入後の心理・身体的変化を(インタビュー等)調査にて比較検討するする. 研究計画の予定に沿って今後も進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
令和3年度に予定をしていた設備費および人件費等が予定額を下回ったために、当該助成金が生じた.当該助成金を繰り越し、令和4年度分の助成金と合わせて本研究計画に沿って使用する.特に設備費については、当初予定をしていた内容を再度検討することとする.
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