2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者のひとり歩きに関する看護師及び家族介護者の観察の視点と判断の構造
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21K11053
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
堀田 美沙 富山県立大学, 看護学部, 助手 (20846141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 恵里 富山県立大学, 看護学部, 教授 (20307656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 徘徊 / 臨床判断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は認知症高齢者のひとり歩きに関する看護師及び家族介護者の観察の視点と判断の構造を明らかにすることである。 令和3年度は“認知症高齢者のひとり歩き”に関して、看護医療系の書籍ではどのような記述がなされているのか把握することから始めた。まずスペシャリストを育成している老人看護専門看護師の教育機関で使用されている教科書・参考書を各教育機関のホームページから検索した。閲覧が可能であった教育機関で用いられていたのは、書籍 25冊と文庫本5冊の計30冊であった。全文を精読しながら「認知症or認知症者or認知症高齢者」を対象とした、「BPSD・徘徊・ひとり歩き・BPSD or徘徊ケア」のキーワードが記述されている箇所を抽出し、内容をコード化した。更に、コード化した内容の統合・抽象化を進め、サブカテゴリー化、カテゴリー化を行った。 その結果、72個のコード、15個のサブカテゴリー、8個のカテゴリーが抽出された。カテゴリーは、BPSDの成り立ちや治療、BPSDへのアプローチ視点と対応、徘徊の特徴や治療、徘徊の観察ポイントとケアなどであった。カテゴリー「徘徊の観察ポイントとケア」については、14書籍で記述されており、5年以内に出版されたものが半数を占めていた。具体的な記述内容として、徘徊のある認知症の人の看護プロトコルについてや、事例を通した徘徊に対する看護計画などが見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画では看護系大学で開講している老年看護学のシラバスに明記されている、教科書・参考書を精読し、“認知症高齢者のひとり歩き”に関する記述内容の分析を行う予定であったが、着手できなかった。その理由として、老人看護専門看護師教育機関で使用されている教科書・参考書のデータが予測していた量よりも多く、分析に時間を要してしまったことにある。また、Covid-19の影響による教育に関する業務量の増加もあり、研究時間の確保が難しい状況にあった。
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Strategy for Future Research Activity |
①看護系大学の老年看護学のシラバスに明記されている教科書・参考書の“認知症高齢者のひとり歩き”に関する記述内容の分析を行う。 ②老人看護専門看護師及び認知症看護認定看護師を対象に、“認知症高齢者のひとり歩き”のケア実践を明らかにするための質問紙調査を行う。 ③令和3年度の研究結果及び①②の結果を基にインタビューガイドを作成し、“認知症高齢者のひとり歩き”をケアしている老人看護専門看護師及び認知症看護認定看護師、家族介護者を対象とした、面接調査を行う。 ④尊厳が守られた認知症高齢者のひとり歩きに関する、看護師及び家族介護者の観察の視点と判断の構造を整理する。
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Causes of Carryover |
老人看護専門看護師教育機関で使用されている教科書・参考書のデータが予測していた量よりも多く、分析に時間を要してしまった。質問紙調査を延期したことから、予算に計上していた専門業者への依頼経費を残すこととなったため、令和4年度は、これら繰り越した研究費を使用して質問紙調査を実施していく。
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