2021 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者のヘルスリテラシー向上を促すアセスメントツールの開発
Project/Area Number |
21K11060
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
島田 広美 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (00279837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 美代子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (30735858)
野崎 真奈美 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (70276658)
川上 和美 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (90638769)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / ヘルスリテラシー / アセスメントツール / 高齢者看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
生涯を通じた健康なライフスタイルの実現に向け、自らが受けるサービスを主体的に選択できるように、ヘルスリテラシー(以下HLとする)を身につけるための取組みを促進することが求められている。特に高齢者のHLは、住み慣れた地域で健康に生活するための核となる能力であり、その向上が求められる。高齢者がHLを向上させるためには、まず自身のHLを評価する必要があるが、状況特異的な評価ツールは見当たらない。そこで、本研究では、地域在住高齢者のHLの向上を促すアセスメントツールの開発を目的とする。 2021年度は、第1研究として、地域在住高齢者のHLの実態調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの影響を受け、対象者の協力が得られにくい状況があったため、2019年から2020年に、著者らが先行研究として実施した老人クラブに所属する高齢者を対象としたEuropean Health Literacy Survey Questionnaire(HLS-EU-Q47)を用いたHLの実態調査を再分析し、HLの実態を明らかにした。対象は、A市老人クラブ50施設の中から協力の得られた34施設に、合計561部配布し、381名から返送があり、369名の回答を分析対象とした。平均年齢76.9歳(65-95)、総合HL標準化指数のMean(SD)は27.5(8.8)であり、HLは「やや不十分」と判定された。HLの能力別にみると、「理解HL」が最も高く、「入手HL」「評価HL」が低かった。HLに男女差はなく、前期高齢者は後期高齢者よりHLが有意に高かった。対象である都市在住高齢者は健康への関心が高く、疾病予防に関する健康情報に多く触れているが、自ら必要な情報にアクセスし入手することやその情報の必要性や信頼性を評価することに課題があることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響を受け、高齢者の活動が縮小しており、対象者と接触する機会が減り、対象者の協力が得られにくい状況があった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、第2研究として、地域在住高齢者のヘルスリテラシーの構成要素の明確化・概念モデルを作成する。インタビュー調査が実施できるよう、対象施設の選定と依頼を行う。高齢者の活動は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大リスクと感染症発生による影響が大きいため、感染流行を予測し協力依頼時期を設定するとともに、感染対策を厳重にした上で調査を実施できるように準備する。
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Causes of Carryover |
2021年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当初の計画通りに遂行することが困難であった。 2022年度は、実施予定のインタビュー調査での交通費や謝金などの費用として使用予定である。また、予算に計上しているパソコンやプリンターを早期に購入し、研究環境を整える。
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Research Products
(1 results)