2022 Fiscal Year Research-status Report
急性期治療を受ける脳血管疾患患者におけるせん妄ケア構造の明確化
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21K11061
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
原沢 のぞみ 東邦大学, 看護学部, 准教授 (10623077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 弘子 亀田医療大学, 看護学部, 教授 (10265770)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | せん妄 / 脳血管疾患 / せん妄ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、脳血管疾患を有する対象へのせん妄ケアについての課題を明らかにするため、文献検討を実施した。検索キーワードは、「脳血管疾患」「せん妄」とし、選定条件を原著論文。2010年以降 の論文とした。検索エンジンは、医学中央雑誌を用いた。また、海外の論文においては、(((nursing) OR (nursing care)) AND (cerebrovascular disease)) AND (delirium)の検索キーワードにてPubmedにより検索を実施した。その結果、医学中央雑誌は146件、Pubmedでは46件が抽出された。さらに、抄録によるスクリーニングを実施し、その内容について検討を行った。結果、要因分析や実態に関する記述のある論文の割合が日本においては7件と多く、また1事例を分析した論文が7件と同様に多かった。また、レビュー論文は日本語で3件、英文では、システマティックレビュー3件を含むレビュー論文が4件、メタアナリシスが2件であった。また、疾患に関しては、脳卒中に関する論文が多く17件、術後せん妄に関しては5件であったが、その疾患部位は心血管系2件、整形外科1件、混合1件、脳血管系1件であった。また、介入に関する論文は、日本語においては1件、英語論文においては、7件であった。これらの状況から、脳血管疾患患者におけるせん妄ケアについては、十分なプロトコールが存在していないことを確認した。せん妄は、身体侵襲による影響を受けやすく、また意識障害が生じる脳神経疾患患者におけるせん妄ケアを構造化し、体系づけていくことが必要であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
所属機関の変更に伴い研究フィールドの変更や、新たなフィールドの調整が生じたため。 また、COVID-19の感染対策に伴い、病院施設内での調査については、方法を検討する必要性生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
調査フィールドの調整を確実に進めることで、脳血管疾患患者におけるせん妄ケア構造の明確化のために必要な情報を得ることができるよう、病院施設における研究協力者を得ていくことが重要であると考える。また、研究方法に関しても実現可能性を考えて再度見直しを行う。
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Causes of Carryover |
COVIDの影響および所属機関を異動したことにより、調査研究が予定通りに実施できなかったため、調査および成果発表に必要な支出がなかったため、使用計画通りとならなかった。 次年度は、調査実施に向けたフィールド調査も含め、臨地における調査活動や、せん妄のケア構造を明らかにするための文献調査も含めた成果発表のための学会参加費や渡航費、また、研究活動の推進のための人件費の支出を予定している。
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