2022 Fiscal Year Research-status Report
看護多機能サービスを軸に自然な死を支えるギアチェンジによる日常生活ケアの尺度開発
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21K11064
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
山田 正己 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (00882937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸ヶ里 泰典 放送大学, 教養学部, 教授 (20509525)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 看取り / 看護小規模多機能型居宅介護 / 看護実践 / 高齢者 / 徴候や症状 / 緩和ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は地域在宅における看取りの拠点となり得る看護小規模多機能型居宅介護(以下、看多機)において、高齢者が死に至る自然なプロセス(状態変化)に応じた日常生活ケアの目標・方法・評価の視点、家族への支援や介護職との協働、医師との連携について看多機の看護師へのインタビューから質的に明らかにする(第1段階)。それらをもとに看取り期の苦痛や不快を緩和するための看護実践モデルについて検討する。さらに、第2段階の量的調査において高齢者の死に至る概ね1ヶ月の期間に生じる徴候や状態変化に応じた適切なケア方法と評価指標について探索し、看多機を拠点として高齢者の死に至る自然なプロセスを支える看護実践モデルを開発する。 2022年度は高齢者の死亡前1ヶ月に生じる身体的徴候や状態変化に関する国内外の文献のスコーピングレビューを実施し、論文投稿および査読修正を行った(継続中)。第1段階の調査準備として看多機で看取りを行うための制度的課題について、訪問看護ステーションや介護老人福祉施設等での看取りとの比較の中で、既存の実態調査および制度の歴史的変遷から検討した。本研究で明らかにする測定概念について共同研究者とのディスカッションを定期的に実施した。しかし、予定していた看取りケアの実績のある看多機でのヒアリングは感染防止の観点から実施できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
全国的なコロナ感染拡大防止の観点から、看護小規模多機能型居宅介護において先駆的な看取りケアを実践している施設において、ヒアリングを実施できていない。そのため、第1段階の質的研究の実施施設の選定に至らず、計画の遂行が停滞している状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は看多機における看取りの制度的課題について既存の実態調査報告、制度の歴史的変遷に関する資料などから明らかにし、第1段階の質的調査に向けて看取りケアを実施している看多機でのヒアリングを実施する。その上で調査実施施設を選定し看護職へのフォーカスグループディスカッション、介護職へのインタビュー調査等を実施する予定。それらのデータをもとに、第2段階の量的調査に向けた質問項目の精選等の準備および具体的な実施計画を確立する。
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Causes of Carryover |
全国的なコロナ感染の蔓延状況により、高齢者ケア施設である研究実施予定施設でのヒアリングができなかったこと、それに伴い学会発表ができず、論文投稿も一部に留まったことから次年度使用額が生じた。2023年度は印刷関連機材・消耗物品・文献図書等の費用、インタビューに必要な機材の費用、印刷費用、学会発表・論文投稿費用、施設へのヒアリングおよび第1段階の研究実施に関連する費用、質的データ分析の人件費・スーパーバイズ協力への費用などを計画している。
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