2021 Fiscal Year Research-status Report
在宅でエンドオブライフを生きる訪問看護利用者への在宅スピリチュアルケアの明確化
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21K11065
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 裕子 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (10351149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 まり子 人間環境大学, 看護学部, 教授 (80412344)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スピリチュアルニーズ / スピリチュアルケア / 在宅ケア / 訪問看護 / 終末期 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)先行研究および書籍から,自宅で終末期を生きる人のスピリチュアルニーズとケアについて分析を行った。 2)自宅で終末期を生きる人10名と訪問看護師10名にインタビュー調査を行い,収集したデータを質的帰納的にまとめている。 (1)壮年期女性3名のインタビュー結果をまとめ報告した(日本在宅看護学会誌)「自宅で終末期を生きる壮年期女性のスピリチュアルニーズ」として,【生きたい】【自分で自身の人生の意味をつかみたい】というスピリチュアルペインを含み,【故郷や子育てと仕事や日常を楽しんだ経験を誇りに思いたい】【家で家族を感じて暮らしと幸せを守りたい】【今を自分の居場所で普通の日常を居心地よく過ごしたい】【人と人が関係性を大切に生きやすい社会を願いたい】が明らかになった。自宅で人生の終末期を生きる壮年期女性は,自身の生きたい強く願う気持ちとともに,自身の過ごす時間が自宅や家族で充たされていくことによって,社会の人々の幸せをも願う気持ちが芽生えており,次世代育成能力が発達課題である世代ならではのスピリチュアルニーズであったと意味付けた。 (2)「自宅で終末期を生きる一人暮らし高齢女性のもつスピリチュアルニーズ」として,【命がけて挑んだ仕事人生を認めたい】【人生を最期まで自分で創りたい】【今の幸せと命を喜びを実感したい】【生きた証を形にしたい】が明らかになった。これは,自分の人生に意味があったと実感したいニーズと自然や愛情により与えられた生きる力を味わいたいというニーズであり,老年期の発達課題である英知の獲得をしており,人生を受け入れ生きぬく力強い態度であると意味付けた。 (3)質問紙調査結果の分析を加え,スピリチュアルニーズの中核とされる「生きる意味の特徴」を分析し生きる意味を強く感じている結果を得た(日本ヒューマンヘルスケア学会誌)。 3)引き続き分析を進め,遺族に対しての調査も行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で,インタビュー調査を進めてきたが,時期を見合わせることや,十分な配慮を必要とすることから,予定通りに進めることが困難である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)可能な範囲および可能な方法でインタビュー調査を行い,ワークショップ実施方法を検討し,実施する。 2)先行研究から研究を進める。
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Causes of Carryover |
当初,2年目に実施予定としていた介入研究を前倒し実施を計画したが,コロナ禍により実施不可能となり,使用しないままになっている。2022年度に改めて実施する計画をしている。
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Research Products
(1 results)