2023 Fiscal Year Research-status Report
男性家族介護者の介護負担軽減と被介護者への虐待・介護殺人の防止支援モデルの開発
Project/Area Number |
21K11066
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
植村 小夜子 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (10342148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関戸 啓子 宝塚医療大学, 和歌山保健医療学部, 教授 (90226647)
糸島 陽子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70390086)
山本 真子 佛教大学, 保健医療技術学部, 助教 (90914656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 男性家族介護者 / 虐待 / 介護殺人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,積極的に介護支援の要請を行わない傾向がある男性家族介護者の虐待・介護殺人防止支援モデルを開発することである. 2022年には調査対象者に対して少なくとも1回は質問紙調査とインタビューで介護の様子,生活及び介護上の変化の有無,心身状況等について継続的に調査を実施する予定であった.しかしながら,コロナ禍の影響が残存して調査が進まなかった.調査開始から2023年度までに調査したのは14人の男性家族介護者で,さらに男性介護者家族会を主催している2人の男性にもその支援に至る経緯について聴きとり調査を行った.調査開始後,継続訪問調査をする中で,被介護者が死亡したのは3人,施設入所は4人である.2024年度に在宅介護を継続する対象者は7人である.内訳としては,6人が妻を介護し,1人が母親の介護をしている. 2023年度には, 9人の対象者に対して述べ14回の訪問調査を実施した.その内の7人が継続調査,2人は初回調査である.被介護者の死亡後の面接調査になったのが1人,施設入所後が1人,訪問調査後に被介護者が死亡したのが1人,施設に入所したのが1人である. 現在,質問紙調査についてはSPSSにデータを入れ解析中,インタビューのテープ起こしを行ったデータは研究分担者と共に分析中である.これまでに調査しているデータを基に分析した結果について,1部は学会で演題発表し,1部は演題登録中である.今後も,研究協力者との意見交換を行い,その分析結果は学会で発表するとともに論文投稿で公表し広く意見を求める.そうすることで,支援モデルの開発にむけた準備を行う. また毎年全国規模で虐待・介護殺人の実態を調査して,実態に至った理由,要因等の分析をする予定については,実態の把握段階で今後,殺人等に至った理由,要因の分析から予防につながる対策を検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は9人の対象者に対して述べ14回の訪問調査を実施した.そのうち7人は継続調査,2人は初回調査であった.継続調査の中で,被介護者の死亡後の面接調査が1人,施設入所後の面接調査が1人,訪問調査後に被介護者が死亡したのが1人,施設に入所したのが1人であった.質問紙調査についてはSPSSにデータを入れ解析中,インタビューのテープ起こしを行ったデータについては研究分担者と共に分析中である. これまでに調査しているデータを基に分析した結果について,1部は学会で演題発表し,1部は演題登録中である. また,全国規模で虐待・介護殺人の実態を調査については,,殺人等に至った理由,要因の分析から予防につながる対策を検討する段階である.
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Strategy for Future Research Activity |
継続調査をすることで,男性家族介護者と被介護者とのかかわり方やその思いに関することについては把握できているが,本研究の目的である虐待や介護殺人に至るまでの直接的な思いに関する情報は限られている.そこで,全国規模で虐待・介護殺人の実態から,虐待や殺人に至った理由,要因等の分析をすることで予防につながる対策を検討するとともに,現在,在宅で介護する中で明らかになる男性家族介護者の介護生活に関する思いや対応方法,それらの経緯から分析も行うことで,虐待や介護殺人にまで至らず最期まで介護を継続できる要因について検討する.それらを基に,虐待・介護殺人の防止支援モデル開発につなげる予定である.
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Causes of Carryover |
2022年度に訪問調査が十分できず,その遅れが影響していたが,2023年度に訪問調査の回数を増加させることが出来た.現在,分析の途中であり,国内外での学会発表など予定していた予算の執行に至らなかった. 2024年度には,分析結果を国内外で学会発表するための取り組みを行った上で,虐待・介護殺人の防止支援モデル開発に向けた検討をして,公表を行うために予算の執行を予定する.
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Research Products
(1 results)