2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a care model for the frailty of mild stroke patient with PSF ram for patient with mild stroke
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21K11076
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
結城 美智子 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (20276661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 美佳 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (10372880)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 疲労 / フレイル / 介護予防 / ケアプログラム / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中後病的疲労(Post Stroke Fatigue:PSF)は発症率が高く、機能回復や社会生活復帰の阻害要因となり、さらにフレイルや寝たきりをもたらす重篤な後遺症の一つである。PSFの医学的判断は本人の主観的疲労と日常生活行動から評価する困難さががある。本研究計画は、今年度はこの主観的疲労を測定する尺度についてレビューした。 データベースの一つであるPubMedを用いて、keywordを”Post-stroke fatigue”として、タイトルまたは抄録に述べている研究141のうち、さらにoutcomeとしてPSFを測している研究は75件であった。最も多く用いられていた尺度は Fatigue Severity Scale(FSS)39件であり、次いで Fatigue Assessment Scale(FAS)17件、Multidimentional Fatigue Inventory (MFI)15件であった。 FSSはPSFを測定する尺度として広く知られ使用されているが、この尺度は脳卒中患者を対象として開発された尺度ではない。FSSは疲労の重症度や日常生活行動への影響に焦点があり、PSFを測定するには表面妥当性も十分ではないことが指摘されている。また、FASはよく用いられるもう一つの尺度であり、Fatigueにおける精神的側面と身体的側面の両側面が含まれている。本尺度はテストー再テスト法は十分な結果とされる一方、内的一貫性が低いことが指摘されている。 以上のことから、PSFの特徴を適切に測定する尺度は現時点で十分なものは存在せず、これらの限界と課題はPSFの独自とするFatigueの測定への影響と患者ケアに影響している可能性がある。 次年度からの本研究計画に、上記を結果を反映させて展開する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症流行拡大の時期と重なり、研究計画のうち専門職や患者を対象としたインタビュー等の計画と実施が停滞してしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
下記について実施予定とする。 1)軽症脳卒中患者を対象にPSFについて把握し、その結果をもとに2群(PSFあり、PSFなし)に分類し、PSFに関連する生体指標の探索をおこなう 2)脳神経内科・外科病院等で脳卒中の診断・治療あるいは機能訓練、ケアを担当している専門職を対象に、Post-Stroke Fatigueの認識について実態把握する 3)さらに、看護師、リハビリスタッフ、医師等が経験しているPSF改善のために有効と思われる介入(ケア等)に関する調査をおこなう 4)上記3)の結果とともに先行研究の知見と統合し、PSF予防、改善のためのケアモデルを構築する
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症予防の観点から、本調査のためのフィールド調査と専門職との計画的会議開催、全国の専門職を対象とした質問紙調査とインタビュー調査が実施に至らなかったため、次年度は、上記のフィールド調査、専門職との会議、全国の専門職を対象とした調査等を予定を計画している。
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