2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K11078
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長田 恭子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60345634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 浩二 金沢大学, 保健学系, 教授 (40507373)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 聞き書き / 全人的ケア / 高齢者 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はデータ収集を中心に行った。コミュニティの施設管理者や介護施設のケアマネージャーに依頼し、研究参加者を紹介してもらった。協力が得られた11名にディグニティセラピーを基盤とした半構造化面接を実施した。 参加者は男性6名、女性5名、平均年齢76.5歳であった。2名は夫婦であった。自身が先天性の足の障害、視神経剥離による視覚障害、アルコール依存症、胃がんや乳がんの術後などの病気や障害をもっている方が7名、認知症やパーキンソン病をもつ妻や夫、難病をもつ子どもの介護を行っている方が4名であった。 1回のインタビューは70~90分であり、1名が3回、1名が2回、9名が各1回のインタビューを実施した。ディグニティセラピーの質問プロトコル(今までの人生で一番印象に残っていること、一番大切だと思うことは何ですか?最も生き生きしていたのはいつですか?大切な人に知っておいてほしいこと、覚えておいてほしいことはありますか?あなたの人生で最も重要な役割は何ですか?なぜそれがあなたにとって重要なのですか?あなたが最も誇りに思っていることは何ですか?あなたの大切な人への希望や夢は何ですか?など)を参考に、参加者の状況に合わせてライフヒストリーを尋ねた。 それぞれの参加者が自身の人生を振り返り、抱えてきた困難やそれらをどう乗り越え、現在につながっているかを語ってくださり、内容の濃いデータとなった。 また得られた語りから、参加者個人の聞き書き本を作成しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標である10名以上の参加者に半構成的面接を実施することができたため。さらに参加者それぞれが幼少期から続く困難や現在の苦悩、またそれらをどう乗り越えてきたか、どのような思いで現在生きているかなどについて、率直に話してくださり、深い内容を聴くことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はデータ分析を進め、論文執筆を行う。またインタビュー内容から聞き書きの冊子体を作成し、希望された方にお渡しする。その感想についてフィードバックを受ける予定である。
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Causes of Carryover |
参加予定であった学会や研修会がオンライン開催となったため、旅費が不要となった。次年度は現地開催となるため、学会参加や成果発表のための旅費に充てる予定である。
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