2021 Fiscal Year Research-status Report
1,8-シネオールによる アロマセラピーの効果と応用
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21K11082
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
五島 聖子 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (80745216)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 1,8-シネオール / 2-ノネナール / 微香 / 気分 / アロマペンダント |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、健常者長崎大学学生男女40人を対象に1,8-シネオールと2-ノネナールの香りについて、1. 感知できない「微香」および感知できる「香」となる空気中濃度の調査、2. 香りの持続性の調査、3. アロマペンダントの効果の検証を行い、更にアメリカの北米日本庭園学会において、高齢者に対する植物由来の香りの効果に関する発表をおこなった。 1.微香の濃度の調査は、ディフューザーを用い、起動5分後の空気を室内3カ所で捕集し、GC-MS法によって濃度測定をした。 その結果、1,8-シネオールは500μg/m3前後、2-ノネナールは500μg/m3前後が感知の境界であると考えられるが、健常者でもかなり個人差があることがわかった。 2.アロマペンダントによる香りの持続性は、5分、10分、30分、1時間、3時間、6時間、12時間、24時間、48時間の香りを捕集し、時間による拡散濃度の変化を調査したところ、香りは24時間で約1/10減少した。しかし拡散速度は室温と湿度によって異なるので、来年度も実験を継続する。 3.アロマペンダントの効果の調査は、アロマペンダントと、ディフューザーを使用して、1,8-シネオールの香りと2-ノネナールの香りに対してPOMS心理テストと、百ますテストを行った。その結果、アロマペンダントの暴露ではほとんど効果が見られなかった。これにより、備考では5分間の暴露では効果を得ることができないことがわかった。また、1,8-シネオールをディフューザーで暴露した場合、POMS(気分アンケート)と百ます計算の結果が優位に高くなったが、2-ノネナールの香りをディフューザーで暴露した場合、POMSと百ます計算の結果両方が優位に低下した。更に、2-ノネナールの香りは気分が悪くなり、体調の不調を訴える被験者が出たので、高齢者の被験者への適応は不適切ということがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はコロナ禍のため、被験者を集めて実験することができず、予定していた実験時間を大幅に超過した。そのため、来年度も被験者を増やして追加実験をする必要がある。しかし、当初計画した1年目の基礎研究の調査課題は概ね遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
一年目の基礎研究で、微香とする1,8-シネオールの量を概ね定めることができたので、2年目からは健常な被験者数を増やし、微香の長期的暴露による気分への影響を検証するとともに、介入研究の準備を進めていく。
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Research Products
(2 results)