2021 Fiscal Year Research-status Report
難病患者が生活困窮に陥らないための伴走型就労・孤立予防チームの構築に関する研究
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21K11086
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
平澤 則子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (60300092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 裕子 新潟県立看護大学, 看護学部, 講師 (10433195)
前川 絵里子 新潟県立看護大学, 看護学部, 助教 (90850652)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 難病患者 / 就労支援 / 社会的孤立 / 生活困窮 |
Outline of Annual Research Achievements |
治療と職業生活を両立している難病患者は6割と少なく、経済的問題から難病患者が生活困窮に陥らないように伴走型支援が求められている。わが国は地域共生社会の実現に向け伴走型支援の強化を示しており、難病患者に対しては保健所保健師などの専門職や地域住民など、難病患者の生活問題に応じた伴走型の支援メンバーとその役割を明示する必要がある。初年次は、非就業の難病患者は経済的困窮と社会的孤立及び健康状態の悪化など複合的な生活問題を抱えていると考え、生活困窮に陥らないための就労支援・孤立予防に焦点を当てる。そして支援者の語りから、生活諸領域の問題を中心として、治療と職業生活の両立及び孤立予防や社会参加のためのニーズと支援者が実際に用いている支援技術を明らかにすることを目指した。 まず、難病患者の就労支援に関する国内外の文献を収集し検討した。伴走型支援に関する我が国の先行研究では、医療的ケア児、精神障害患者を対象とした研究が僅かにあるが、難病患者を対象とした研究は見当たらないことを確認した。国外の研究では、パーキンソン病やてんかん患者は失業率と社会保障給付受給率が高いことなどが報告されているが、孤立予防や伴走型支援に関する研究は行われていないことを確認した。 次に、就労支援者を対象とする面接調査に向けて、コンピテンシー理論を基盤とするインタビュガイドを作成した。所属大学倫理委員会の承認を得て、研究対象者のリクルート中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
因子探索・質的記述的研究として就労支援経験のある保健師や相談員等を対象に面接調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症感染拡大禍にあり対面での面接は実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染予防を徹底し、対面面接とオンライン面接を組み合わせて実施する。研究対象者のリクルートが進んでおり、2年次中に面接調査が実施できる見通しである。また、並行して2年次計画であるN県内の難病相談・支援センター、障害者職業センター等で就労相談をした難病患者とその相談員を対象としたアンケート調査、事例検討会を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
面接調査に係る旅費、謝金、録音起こしの費用、面接時に使用するノート型パソコン購入費用としての50万円を次年度に繰り越し使用する。2年次の研究費は、就労・孤立予防チーム構築のプロセスの解明を目的にN県内の難病相談・支援センター、障害者職業センター等に就労相談をした難病患者と相談員200人を対象に実施するアンケート調査、現地に出向いて行う事例検討会の旅費と謝金、使用するプロジェクター1台を購入する費用に充てる予定である。
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