2021 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病患者の転倒による二次的障害リスクを把握するアセスメントツールの開発
Project/Area Number |
21K11097
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
河西 恵美 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (80760545)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 転倒 / 外傷 / アセスメントツール / セルフアセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、パーキンソン病(PD)患者の転倒による二次的障害発生の関連要因を特定し、PD患者自身が二次的障害リスクを自己評価できるツールを開発することを目的とした。 2021年度は、PD患者の転倒による二次的障害の関連要因を明らかにするため、2施設の脳神経内科外来に通院中のPD患者87名に質問紙調査を実施した。87名のうち、転倒により二次的障害を経験したPD患者(経験群)と、二次的障害を経験したことがないPD患者(未経験群)の2群間を比較し、両者の相違点や、二次的障害発生の関連要因ついて統計学的に分析した。 その結果、経験群は未経験群に比べ年齢が若く、比較的日常生活が自立していると考えられた。また、未経験群ではHoehn & Yahr(HY) 重症度分類ステージⅠとⅢが多かった。未経験群は経験群と比較し、転倒予防や自己管理行動を行っている者が少なかった。未経験群では、症状が軽いため転倒予防行動や自己管理行動をとる必要がない状況や、症状が重くても、介護者のサポートにより転倒を防いでいる状況が推測された。一方、経験群は、転倒や二次的障害の経験から、行動を変化させている可能性が考えられた。また、特定のPD症状や加齢の影響、心理的状態に二次的障害との関連が示唆された。 これらの結果と既存の文献を基に、PD患者の転倒による二次的障害リスクを把握するためのセルフアセスメントツール案を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の目標は達成でき、調査の結果について学会発表の予定がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、作成したセルフアセスメントツールの内容を洗練させ、その効果を評価していく。
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Causes of Carryover |
研究の打ち合わせにかかる交通費、学会参加のための旅費を計上していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、遠隔会議システムを用いて打ち合わせを行ったり、学会がweb開催になったことで次年度使用額が生じた。次年度は、今年度の調査結果をまとめた論文を投稿するため、英文校正費に使用する。
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