2023 Fiscal Year Research-status Report
在日コリアンハンセン病回復者・超高齢者コホートによる被差別経験と健康影響の解明
Project/Area Number |
21K11103
|
Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
文 鐘聲 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50460960)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 尚子 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (80456681)
金 貴粉 津田塾大学, 国際関係研究所, 研究員 (20648711)
田村 朋久 大手前大学, 国際日本学部, 非常勤講師 (00836637)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 在日コリアン / 超高齢者 / 百寿者 / ソーシャル・キャピタル / ハンセン病回復者 |
Outline of Annual Research Achievements |
在留外国人のうち在日コリアンの老年人口割合は他と比べて突出して高く、在日外国人高齢者研究の重要な位置を占める。そこで、在日コリアン超高齢者・百寿者を対象とした全国コホートを構築し、第1次調査を行った。 本研究の目的は、在日コリアン超高齢者・百寿者コホートの第2次調査に、在日コリアンの中でもより多くの困難を経てきたハンセン病回復者を対象者に追加することで、差別の程度およびスティグマと身体的・精神的健康との関連、およびSESとレジリエンス、「民族的つながり」としてのソーシャル・キャピタルの身体的・精神的健康の縦断的な影響を明らかにすることである。 2023年度の主たる研究実績としては、在日コリアン超高齢者・百寿者コホートの第1次調査の解析を行い発表を行ったことである。具体的には、在日コリアン超高齢者コホートベースライン調査のデータを用い、差別が在日コリアン超高齢者の身体的・精神的健康に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。被差別群と対照群とで年齢と就学年数、経済的満足度、要介護度、ADL、握力、主な生活習慣病の有無、WHO5、GDS5に有意な差があるとはいえなかった。一方、PGCモラールスケールは被差別群の方が対照群に比べて低かった(p=0.011)。また、在日1世については被差別群の方が渡日前の日本人との付き合いが少なかった(p=0.038)。 また、在日コリアン高齢者に関連する発表、戦前の在日朝鮮人ハンセン病患者に関する論文を公開した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度はコロナ禍において遅れが生じていた研究計画を立て直した。その計画はおおむね順調に推移し、第1次調査に関する論文化を残すのみとなった。しかしながら、ハンセン病回復者調査の準備がまだ追いついておらず、当初計画からはやや遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、在日コリアン超高齢者・百寿者第1次調査の成果を論文化するとともに、その成果をもってハンセン病回復者調査の計画を進めていくこととする。
|
Causes of Carryover |
ハンセン病回復者調査を遂行できていないことから次年度使用額が生じている。2024年度は左記調査を進めていくこととする。
|