2021 Fiscal Year Research-status Report
施設入所高齢者の低脂肪豆乳摂取による栄養状態改善効果の検証
Project/Area Number |
21K11104
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
塩田 由紀 九州女子大学, 家政学部, 教授 (50883245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新冨 瑞生 九州女子大学, 家政学部, 講師 (30613426)
巴 美樹 九州女子大学, 家政学部, 教授 (60596584)
山本 亜衣 九州女子大学, 家政学部, 講師 (80461474)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大豆たんぱく質 / TNF-α / 栄養状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
大豆たんぱく質は動物性たんぱく質と比較して腎臓への負担が少なく、抗炎症作用、下肢筋力保持等の効果を示すことが報告されている。我々が予備試験として実施した先行研究においても、低脂肪豆乳(不二製油(株))が腎臓に負担をかけることなく高齢者の栄養状態を改善させた。また、炎症サイトカインであるTNF-αが摂取8週で有意に低下したことから、低脂肪豆乳は抗炎症作用、腎負担の軽減に寄与すると考えられた。本研究はその確認試験として、一般病棟に入院中の70歳以上の高齢者30名を対象とし、2か月間低脂肪豆乳(不二製油(株))あるいは普通牛乳を200ml摂取させ、摂取前後の栄養状態、一般血液検査や炎症性サイトカインなどの血液データを比較し、大豆たんぱく質摂取による栄養改善効果と抗炎症効果を検証することを目的とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の研究計画は入院中の高齢者を対象としていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で院内への立ち入りが禁止となり、被験者への説明や確認、同意書などが取れない状況に陥った。このような状況が1年間継続したため、研究の継続が困難であると判断し、日本学術振興財団へ報告した。大豆たんぱく質摂取による栄養改善効果と抗炎症効果を検証するという研究内容の範囲内であれば、研究者の判断で対象者を変更しても問題がないとの事を確認後、研究を続行させることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の対象者は、新型コロナウイルス感染拡大の影響下においても研究に対する理解を得ることができるため、本学園内の九州共立大学の運動部に所属する学生に変更した。先行研究より、同大学の硬式野球部男子大学生を対象に食事調査を実施した結果、アスリートの基準と比較してエネルギーをはじめ全ての栄養素が不足し、特にカルシウム、鉄、ビタミンA、B1、B2等の不足が顕著であった。主なたんぱく質摂取源は鶏肉で豆類の充足率は50%を下回っていた。豆類の摂取不足はレチノール、ビタミンB1、カルシウム、鉄等の微量栄養素の不足に繋がり、スポーツ選手として早急な食生活の改善が必要とされた。また、強度の高い運動はTNF-αやIL-6等の炎症性サイトカインの産生を高め、筋損傷や筋の炎症反応と関係していることが報告されている。今回、被験者は変更となったが、当初の大豆たんぱく質摂取による栄養改善効果と抗炎症効果を検証するという研究内容の範囲内であると判断し、現在、被験者への呼びかけ等研究を進めている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対象者の変更等研究計画に変更が生じたため。
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