2022 Fiscal Year Research-status Report
施設入所高齢者の低脂肪豆乳摂取による栄養状態改善効果の検証
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21K11104
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
塩田 由紀 九州女子大学, 家政学部, 教授 (50883245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新冨 瑞生 九州女子大学, 家政学部, 講師 (30613426)
巴 美樹 九州女子大学, 家政学部, 教授 (60596584)
山本 亜衣 九州女子大学, 家政学部, 講師 (80461474)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | TNF-α / 大豆たんぱく / 栄養状態 / アスリート |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年に不二製油(株)との共同研究で、硬式野球部男子大学生を対象に大豆たんぱく質をベースとした植物性プロテイン飲料を付加する試験を実施した。本研究は競技種目の異なるラグビー部を対象に確認試験を行った。 ラグビー部の男子学生35名を対象とし、コントロール群、植物プロテイン群、牛乳群の3群に分け、400mlの試料を12週間摂取させ、摂取前、摂取期6週、摂取期12週、摂取終了後に各3日間の食事調査を実施した。体組成の測定および血液検査は朝食前の空腹時に行った。 摂取前の栄養素摂取量はすべての栄養素において基準値に達していなかった。試料摂取前と摂取期6週の差分の比較において植物プロテイン群のエネルギー、たんぱく質は743±452kcal、35.0±17.7gと有意に増加した。エネルギー、たんぱく質増加の要因となる食品群は穀類と肉類で、標準化係数(β)は エネルギー:穀類 β=0.675、肉類 β=0.503 たんぱく質:穀類 β=0.500、肉類 β=0.757であり、食事摂取量の増加が確認された。介入後、摂取期6週に植物プロテイン群のみたんぱく質摂取量が1.6g/kgBWと有意に増加し、除脂肪量、骨格筋量は摂取期12週に植物プロテイン群のみ有意に増加した。血液検査の結果、植物プロテイン群のみ摂取期12週にTNF-αの有意な低下が認められた。 植物プロテイン摂取による食事摂取量の増加について、大豆たんぱく質が食欲に何らかの影響を与えているのではないかと示唆された。また、大豆たんぱく質の生理作用に加え、付加した栄養素以上に筋肉合成に必要な栄養素を満たすことができ、骨格筋量が増加したのではないかと示唆された。大豆たんぱく質摂取によるTNF-αの低下については動物実験やヒト試験における報告がみれるが、今回アスリートに対しても同様の結果を得たことから抗炎症作用への有用性を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は2023年度までに終了予定であるが、2022年度には臨床試験がすべて終了し、現在は9月の栄養改善学会において研究成果を発表するため、データをまとめている段階であることから、本研究の進捗状況はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は得られたデータの解析を行い、論文発表に向けて準備を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
助成金は被験者の血液検査費用に多く費やす予定であったが、試験途中で入院、怪我、選抜選手候補に選ばれる等、種々の理由で最後まで試験を実施できない被験者が多かったため、血液検査費用が予定よりも軽減された。 次年度は得られたデータの解析を実施する予定であるため、解析用のパソコンの購入に使用予定である。また、学会発表も積極的に行いたいため、学会参加費用や旅費として使用を考えている。さらに、論文投稿を行うための投稿費用としても使用予定である。
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