2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K11106
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 圭子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10341736)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 美奈加 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (10461716)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 高齢者 / 口腔機能 / 若年女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.高齢者の口腔機能には若年期からの生活習慣や口腔機能管理も影響を与えると考えられている.若年者の口腔機能には生活習慣や筋力が関連しているのではないかと考えるが,若年者を対象とした報告は多くはない.そこで健康な19~22歳の若年女性40名を対象に生活習慣と口腔機能,口腔内環境として口腔内湿潤度,握力の関連を調査・分析した.その結果,運動部への所属期間が 4年以上の者に口腔運動機能が高かった.欠食のない者,野菜・果物を摂取する頻度が高い者,歯磨きを 1日3 回行っている者は握力が高かった.今回の対象者において,日常生活習慣と嚥下機能,口腔内湿潤度との関連は有意ではなかった.筋力を維持することで将来的な咀嚼能力や咬合力を維持できる可能性もあることから,青年期における生活習慣の将来的な口腔機能への影響についてさらなる検証の必要性が示唆された. 2.ケアハウス・有料老人ホームの入居者及び地域在住高齢者106名を対象に,口腔機能・栄養状態に関する調査を実施した.調査項目は,口腔機能(舌圧,反復唾液嚥下テスト(RSST),オーラルディアドコキネシス(ODK)),栄養状態,老年期うつ病評価尺度(GDS15),機能的自立度評価(FIM),認知症重症度分類(CDR)等だった.対象の約6割が低舌圧,約7割が低栄養リスク・低栄養に該当した.うつ傾向に該当した者は約3割だった.舌圧・RSST・ODKすべてに関連がみられた項目は,年齢,介護度,GDS,FIM,1年以内の歯科受診であった.また,ODK・舌圧とCDR,RSST・ODKと口腔への関心においても関連がみられた.これまで自立高齢者の口腔機能と抑うつとの関連の報告があるが,本研究より要支援・軽度要介護者を含む高齢者の口腔機能と精神的健康の関連が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部の調査と出張を見合わせたが,調査票の設計をすると共に得られた調査結果の分析を行うことができたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究目的に基づき地域住民を対象にさらなる調査を行う予定である.また調査結果の分析を進める予定である.
|
Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大防止のため,一部の調査と出張を見合わせたことで次年度使用額が生じた. 使用計画:調査実施及び分析に必要な経費に使用予定である.
|