2023 Fiscal Year Research-status Report
夜間頻尿の高齢一般住民に対するセルフマネジメント支援プログラムの検討
Project/Area Number |
21K11110
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
瀧本 まどか 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (50769586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 珠実 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10258981)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 夜間頻尿 / 高齢者 / セルフマネジメント / 下部尿路症状 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
夜間頻尿は下部尿路症状のなかでも男女とも最も頻度が高く、加齢とともに増加し、骨折の増加やQOLの低下に影響する。主な原因は、下部尿路機能障害以外に内科疾患、睡眠障害、生活習慣など多岐にわたる。本研究の目的は、夜間頻尿の高齢一般住民を対象に夜間頻尿特異的QOLとセルフマネジメントと下部尿路機能を調査し、その特徴と関係性を記述することである。 2023年度は、倫理委員会申請、一般公募、データ収集、分析を行う予定であった。しかし、研究遂行に十分な時間を確保できなかったため、当初計画が遅延している。2023年度は、文献検討、交絡因子の検討、倫理委員会申請準備を行った。交絡因子に関する文献検討は、特に尿量との関連が高い高齢者の水分摂取に関する国内外の研究111編の検討を行った。その結果、夜間頻尿患者の多くは、夜間頻尿の原因を加齢や水分の過剰摂取と関連付け、夕食後の水分制限を中心に対処法をとっており、頻尿を理由に意図的に水分を控えている者の存在が複数の研究で報告されていた。また、脱水になりやすいと考える者は水分を多く摂取する傾向があることが指摘されていた。食事に含まれる水分量を減らすと夜間頻尿の重症度が有意に改善した報告もあるが、これまでの研究のほとんどが飲水量のみで食事に含まれる水分量を調査したものが少なかった。 その他の交絡因子として、年齢、性別、塩分、血圧、血糖、睡眠障害、概日リズム、薬剤、体組成、腎機能、心機能、肝機能、睡眠時無呼吸症候群、低栄養など複数の関連が指摘されており、本研究における交絡因子を調整するために調査用紙の検討と分析方法の検討(層別化、多変量解析)を行った。次年度は、データ収集、分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は、データ収集、分析、論文執筆を予定していた。しかし、研究者自身が本研究以外の業務に多くの時間を費やしたため、本研究のエフォートが減り、当初計画に大幅に遅延している。また、本研究の対象者が高齢者であり、新型コロナウィルス感染症やインフルエンザの流行から調査段階に進められていない。そのため、進捗状況を「遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、当初の計画の遅れを取り戻し、データ収集、分析を実施予定である。実施方法は、感染症予防の観点から一般公募や対面でのリクルートが難しい場合は、インターネット調査やアンケート調査への変更も検討し、実施を進めていく。
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Causes of Carryover |
2023年度に予定していたデータ収集に着手できなかったため、次年度使用額が生じている。 次年度の研究費使用計画は、調査実施に関わる消耗品(調査用紙・印刷費等)、研究参加者への謝礼、統計分析用ソフト(SPSS-Amos)・研究関連文献・書籍の購入、関連学会(日本老年泌尿器科学会、日本排尿機能学会、日本老年看護学会、日本看護科学学会等)での情報収集・投稿費用に充てる予定である。
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