2021 Fiscal Year Research-status Report
在宅重症児の被虐待に対する訪問看護師の気づきから確信までのプロセス
Project/Area Number |
21K11120
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
西 留美子 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 准教授 (20526131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 育子 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (60464781)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 在宅重症心身障害児 / 被虐待 / 訪問看護師 / 指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】在宅重症心身障がい児の被虐待の片鱗に気づいた訪問看護師(以下訪看)が被虐待であると確信するまでには、意図的な観察や情報収集が必要になると思われる。本研究は、在宅重症児の被虐待に対する訪看の気づきから確信までのプロセスを「被虐待気づきの指標(被虐待38場面)」を用いて、被虐待に気づき始めた場面は何か、それを確信につなげるための意図的な観察場面は何かを長期間にわたり経時的に明らかにする。 【意義】在宅重症児の被虐待場面を38に集約し、その場面を訪看が把握したか否かを確認できる指標を開発した。グレーゾーンに気づいていながらその実態を被虐待と判断することに躊躇することなく、指標に示された被虐待場面を把握したか否かをチェックする指標は、在宅重症児の訪問実績のある全国の訪看を対象とした調査で、その妥当性と信頼性を得た。これまでの児童虐待の研究は、主に被虐待のリスク要因に着目されてきた。本研究では、被虐待の場面に遭遇し、その場面を直視する可能が高い訪看を対象として、被虐待の気づきから確信までのプロセスで把握した被虐待場面を具体的に示す。訪看が被虐待のグレーゾーンへの気づきを確信していく様を共通の指標で明らかにすることは学術的にも施策的にもその意義は大きく被虐待の早期発見の客観的な指標となり、在宅で療養する者の被虐待対策支援に貢献できると考える。 【2021年度の成果】小児の訪問を実施している全国の訪問看護ステーションを選定し、「被虐待気づきの指標(被虐待38場面)」を用いて在宅重症児の被虐待に対する訪看の気づきから確信までのプロセスをプレ調査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、集会を開催して「被虐待気づきの指標(被虐待38場面)」の活用方法を説明する予定であったが、コロナ禍にて個々のステーションへの説明へ変更したことで、ほぼ予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
在宅重症児の被虐待に対する訪問看護師の気づきから確信までのプロセスを「被虐待気づきの指標(被虐待38場面)」を用いて、経時的に明らかにするために以下のことに取り組む。①プレ調査終了②研究協力が得られている訪問看護ステーションへ「被虐待気づきの指標(被虐待38場面)」の活用方法の説明③データ収集④データ分析 集団での説明から個々のステーションへの説明に変更していることから、データ収集までの時間延長が考えられるため今後はオンライン活用も検討していく。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた指標の説明会を中止し、研究協力者への説明のため旅費、オンライン説明会に向けての物品購入に使用する予定である。
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